【電子書籍】完全無料で昔の名作を読み倒す方法

シニア趣味

別の記事で電子書籍についてご紹介していますが、なかには「一円だってお金は掛けたくないんだ」といった方もいらっしゃるかもしれません。

そこで今回は、完全無料で昔の名作の電子書籍版を読み倒す方法についてご紹介することにしましょう。

著作権が消滅している昔の名作

著作権の保護期間

著作物には、当然のこと著者の著作権が存在します。つまり著者は個々の作品に対して著作権を主張できることから、他者が無断でそれを活用して出版をしたり配信することはできないわけです。

しかし、著作権の保護期間というものがあります。これは著作権の発生から消滅までの期間を言います。つまり、法律上、著作権とは恒久的に保持できるものではなく、期間が定められているわけです。

ちなみに、ベルヌ条約によれば、加入国は著作権消滅までの期間を最低でも著作権の死亡から50年としなければならないといった取り決めがあります。

逆に言うならば、著者が死亡してから50年を経過した作品については、著作権の保護が外れることから、これを一般に取り扱ったり公開をすることができることになります。なお、著作権の保護期間については、今後50年以上に延長される動きがあります。

日本に存在する数々の昔の名作

死後50年といえば、半世紀であるわけですから長い期間であるわけですが、ところが現在においても多くの読者から支持を得ている明治、大正、昭和初期の作品は数多く存在します。

つまり、著作権の保護期間が経過した人気作品は、こと日本においても数々存在することになります。

青空文庫の存在

著作権が消滅した作品や著者が許諾した作品について、これを電子書籍化してインターネット上で公開している電子書籍館の存在があります。これが青空文庫です。

青空文庫は、ボランティアの手によって昔の名作が、電子化されて公開されています。このため、明治、大正、昭和初期の著作権の保護期間を経過した名作は、完全無料で検索し読むことができるわけです。

ちなみに、昔の名作作品のすべてが電子化されているわけではありませんが、収録作品数は1万4千点を超えてきています。つまり、1万4千冊もの作品を、完全無料で読み倒すことができるわけです。

青空文庫 Aozora Bunko

青空文庫の作品を読む方法

青空文庫は、作品の多くがXHTMLやテキスト形式で提供されています。このため、そのまま読むには少々ストレスを抱えることになります。

しかしながら、サードパーティなどが青空文庫専用のリーダーアプリやソフトウェア、専用サイトを開発していることからこれを用いることで、電子書籍として作品を読み進めることができるようになります。

たとえば、読みたい作品を青空文庫で探したなら、そのURLを「えあ草紙工房」のウェブ版縦書きリーダーのURL入力欄に貼り付けることで、縦書きフォーマットで読むことができるようになります。

また、AndroidやiPhoneなどにも、青空文庫専用のアプリが存在します。これらを用いることで、タブレットやスマホなどからでも、作品を検索してその場で読むことが可能となるわけです。

青空文庫リーダー

次に青空文庫内の作品を快適に読むことができるリーダーやビューワーについて簡単にご紹介しておくことにしましょう。

PCやiMac、AndroidやiPhoneなどのタブレットやスマホなど、さまざまなデバイスで青空文庫を読むことができるリーダーやビューワーが用意されていて、当然のことながら無料で活用することができるものがほとんどです。

青空文庫をブラウザ環境で読む

リーダーやビューワーは、ダウンロードしたり動作設定をしたりして面倒に感じる方もいらっしゃるかもしれません。

「ネットと同じようにWebブラウザでそのまま読めないの?」

というご要望もあることでしょう。そんな方には、「青空 in Browsers」というサイトをご紹介することにしましょう。

このサイトでは、ブラウザから直接青空文庫の作品にアクセスをして、縦書きで作品を読むことが可能です。Webブラウザ版なので、WindowsのみならずiMac、android、iPhone環境などOSに依存することなく読むことができます。

ただし、購読する画面環境のカスタマイズなどについては、専用のリーダーやビューワーに軍配があがりますが、それでも手軽に青空文庫を楽みたいという方は、このサイトの存在を知っておいて損はないかと思います。

青空 in Browsers

また、WebブラウザにGoogle Chromeを用いているのであれば、Googleストアから「えあ草紙」をアドオンとして加えることで、サイトの存在を意識することなく、作品を検索したり、そのまま読むことができるようになります。

Google Chrome対応アプリ「えあ草紙」

青空文庫で読むことのできる分野

現在青空文庫で電子化されている作品は、先にもふれているように1万4千作品を超えてきています。しかしその多くは文学作品であり1万3千作品を超えています。また、それ以外にも分野として以下の作品を有しています。

・総記
・哲学
・歴史
・社会科学
・自然科学
・技術工学
・産業
・芸術美術
・言語

青空文庫で取り扱われる作品の著者

「無料なら使いたいとは思うものの、あくまでも無料なので無名の作品が多いんじゃないの?」

といった声も聞こえてきそうです。ところが、名作揃いであり、すべての作品を読むのには逆に苦労されることになるはずです。

たとえば、古くは森鴎外、夏目漱石、芥川龍之介などの作品が代表的でしょうか。つまり「河童」「羅生門」「吾輩は猫である」や「手紙」などの作品が読み放題となるわけです。また、太宰治や高村光太郎、吉川英治などの著名で多くの読者の支持を受けている作品も多数存在します。

まとめ

青空文庫、著作権の期限を過ぎた作品や、公開の許諾を著者より得ている作品のすべてが無料で読むことができるのはとても貴重だとは思われませんでしょうか。

筆者は実は最近、吉川英治の三国志やコナンドイルのシャーロックホームズなどを久しぶりに青空文庫で読み返していたりします。

主にソファーに寝転んでタブレットで読み勧めていますが、専用の電子書籍リーダーにはかなわないものの、無理なく読み進めることができています。

お時間がおありであるならば、ぜひ昔の名作を読み勧めていただければと思います。検索をすればおわかりいなろうかと思いますが、有名な作家であっても意外に知らなかった作品に出逢うことができるはずです。

なお、本ブログでは電子書籍入門に関する記事もご用意しています。もし興味がおありであれば、参考にしていただければ幸いです。

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