介護付老人ホームが特定施設入居者介護の指定を受けることで、介護サービスの提供を可能とすることについて既に触れています。
ここでは、特定施設入居者生活介護の基準についてもう少し詳細に見ていくことにしましょう。指定条件を知っておくことで、これをクリアしている介護付有料老人ホームのおおよその運営ならびに設備や人員の基準を知ることができるからです。
なお、これらの基準は、厚生労働省ホームページによって開示されています。
特定施設入居者生活介護の指定基準
人員に関する基準
特定施設入居者生活介護における人員に関する基準を以下に記します。介護付老人ホームを始めとして特定施設入居者生活介護の指定を受けた施設については、以下の人員の指定基準を満たしている必要があります。
管理者 | 一人配置(兼務可) |
生活相談員 | (要支援者+要介護者):生活相談員=100:1 |
看護職員
介護職員 |
要支援者:(看護職員+介護職員)=10:1
要介護者:(看護職員+介護職員)=3:1 |
機能訓練指導員 | 一人以上配置(兼務可) |
計画作成担当者 | 介護支援専門員 一人以上配置(兼務可) ただし(看護職員+介護職員):計画作成担当者100:1を標準 |
設備に関する基準
特定施設入居者生活介護における設備に関する基準を以下に記します。介護付老人ホームを始めとして特定施設入居者生活介護の指定を受けた施設については、以下の設備の指定基準を満たしている必要があります。
介護居室 | ・個室又は4人部屋以下 ・プライバシーの保護に配慮、介護を行える適当な広さ ・地階に設けない ・一つ以上の出入り口は、避難上有効な空き地、廊下または広間に直接面して設置 |
一時介護室 | ・介護を行うために適当な広さ |
浴室 | ・身体の不自由な者が入浴するのに適したもの |
便所 | ・居室のある階ごとに設置し、非常用設備を備える |
食堂、機能訓練室 | ・利用者が車いすで円滑に移動することが可能な空間と構造 |
施設全体 | ・利用者が車いすで円滑に移動することが可能な空間と構造 |
運営に関する基準
運営に関する基準については、規定項目が詳細るためここではその項目について挙げています。運営に関する以下の基準を満たす必要があることについてご理解いただければと思います。運営に関する基準を満たすことで、健全な運営を図られることをおおよそ確認することができるはずです。
給付の確認 | 有料老人ホームでは、現物給付(法定代理受領サービス)は利用者の同意が条件であることを説明し、意志を確認する(軽費老人ホームでは、手続きを経ることなく現物給付化) |
利用料などの受領 | 1)利用者の一部として費用基準額から現物給付額を控除した額の支払いをうける。 2)償還払いの場合、利用料と基準額の間に不合理な差額が生じないようにする。 3)利用者が選定した介護などの日常生活上の便宣の費用の支払いをうけられる。 4)おむつ代、その他の日常生活費の支払いを受けられる。 |
身体的拘束の禁止 | 1)利用料や他の利用者などの生命・身体の保護するために緊急やむえない場合を除いて、身体的拘束など利用者の行動を制限する好意を行うことはできない。行う場合には、その態様・時間、利用者の身体の状況と緊急やむを得ない理由を記録する。 2)運営規定で、身体的拘束等を行う手続きについて定めておくことが望ましい。 |
特定施設サービス計画の作成 | 1)計画作成担当者は、利用料・家族の希望やアセスメントにもとづき、サービスの目標・達成時間等を盛り込んだ原案を作成する(保険給付対象外のサービスも含める)。 2)原案を利用者または家族に対して説明し、利用者の同意を得たうえで利用者に交付する。 |
介護 | 入浴が困難な利用者に1週間に2回以上入浴か清拭を行うほ、あ、利用者の食事・離床・着替え・整容等の日常生活の世話を適切に行う。 |
協力医療機関等 | 利用者の病状の急変等に対応するため、あらかじめ協力医療機関を定めておくほか協力歯科医療機関を定めておくよう定める。 |
人員に関する基準(詳細項目例)
2 受給資格などの確認
3 要介護認定などの申請に係る援助
4 指定特定施設入居者生活介護の提供の開始等
5 法定代理受領サービスをうけるための利用者の同意
6 サービスの提供の記録
7 利用料などの受領
8 指定特定施設入居者生活介護の提供の取り扱い方針
9 特定施設サービス計画の作成
10 保険給付の請求のための証明書の交付
11 介護
12 機能訓練
13 健康管理
14 相談及び援助
15 利用者の家族との連絡等
16 利用者に関する市町村への通知
17 緊急時等の対応
18 管理者の責務
19 運営規定
20 勤務体制の確保等
21 地域との連携等
22 非常災害対策
23 衛生管理等
24 掲示
25 秘密保護
26 広告
27 協力医療機関等
28 居宅介護視線事業者に対する利益供与の禁止
29 苦情処理
30 事故発生時の対応
31 会計の区分
32 記録の整備
まとめ
ここでは特定施設入居者生活介護の指定基準として人員、設備、運営に関する基準についてご紹介しました。
運営に関する基準については、内容が多岐に渡ることから、もし詳細にお知りになりたい方のために、詳細を記すpdfページのURL(厚生労働省内)を以下にご用意しています。ご参考いただければ幸いです。
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