「電子書籍」ご存知でしょうか。「何やら難しそうなので私は興味ありません」と、思われる方も少なくないかも知れません。しかし、電子書籍は、むしろシニアの方々が活用すべき書籍とも言えます。
そこで今回は、シニアで一から始める電子書籍入門講座としてお話を勧めていくことにしましょう。ちなみに、新しもの好きの方以外にもおすすめです。その理由については本文でご紹介してまいります。
電子書籍とそのメリット
「書籍なら親しんでいるが、電子と着いてしまうと一気に自分の領域から外れる」
と、このように思われるかもしれません。しかし電子書籍とて、つまりは単行本であり、文庫本であり、そして漫画でもあります。ただし電子書籍の場合は、紙媒体で提供されるのではなく、デジタルデータでの提供となります。よって電子書籍は、PCやスマホ、電子書籍リーダーなどで読むことになります。
「ほらほら、電子機器がでちゃったよ。そもそもそれが扱えない。紙媒体ならそんな必要はないし」
ところが、そこには様々なメリットが存在するものです。
電子書籍はインターネットを介して入手する
電子書籍は、現在多くのサービスが登場してきています。これらについては後にご紹介するとして、書籍がデジタルデータであることから、一般にインターネットを介して入手することになります。
よって、書店に足を運ぶ必要もなく、また、注文をしたり入荷を待つということもありません。
「いやいや、むしろじっくり書店で選ぶことが楽しみなわけで」
という方もいらっしゃることでしょう。しかし、必要と思える分野の書籍が必要となった際、直後にその分野を検索し、すぐに見つけて購入し、読み始めるということができるのは、実際に活用すると意外に便利なものと言えます。
自分の書斎を常に持ち運ぶ
電子書籍は紙ではなくデータであるわけですから、重さがありません。つまり、お気に入りの書籍をたとえば1000冊であったとしても、持ち歩くことが可能となります。
ちなみに、電子書籍を読むためのデバイスとして電子書籍リーダー端末があります。これについても後にご紹介しますが、これ一台あれば、数千冊の書籍を常に持ち歩くことが可能となります。つまり、ご自分の書斎を常に持ち運ぶことがいとも簡単にできるわけです。
老眼鏡なしで読めるかもしれません
「そうはいっても画面に表示される文字なんか読んでいられないよ。老眼だし」
電子書籍専用のリーダーの場合、非常に軽量である一方で操作性も簡単であり、誰もがすぐに使いこなすことができます。また、文字サイズを必要に応じて自由に変更することができるのです。
ですから、書籍の文字サイズが小さくて読みにくい文庫本の書籍であっても、電子書籍版を入手すれば、必要に応じて文字サイズを大きく設定することで、人によっては老眼鏡なしで読むことができることもあるわけです。
また、電子書籍リーダーは、スマホやタブレットなどの表示方式と異なり、電気泳動方式を用いているので、たとえば日中の公園などでも読みにくくなるということはなく、あたかも紙媒体を読んでいるかのように読書を楽しむことができます。
さらには、バックライトやフロントライト付きのリーダーであれば、暗い部屋の中でも読書を楽しむことができるなどのメリットがあります。
読み放題や無料、安価のサービスや書籍の存在
電子書籍の場合、取次店や書店などの流通工程を経る必要がありません。また、紙媒体に印刷する必要もないことから、書籍の価格が紙媒体の書籍に比べて安価な設定がなされています。
電子書籍サービスには、毎月定額で提供されるものもあり、読み放題になったり、無料で読むことができるものもあるなどのメリットもあります。
代表的な電子書籍ストアと購入方法
次に日本における代表的な電子書籍ストアについて見ていくことにしましょう。
書店と同様にあらゆるジャンルの電子書籍や紙媒体から電子化された書籍を扱う総合的な電子書籍ストアから、特化した書籍を扱うストアまで様々なものがありますが、意外に多くのストアが存在し、サービス提供をしていることをご理解いただけるかもしれません。
代表的な電子書籍ストア
提供企業 | ストア名称 |
Amazon | Kindleストア |
楽天 | Kobo電子書籍ストア |
アップル | iBooksStore |
Yahoo! | Yahoo!ブックストア |
GooglePlayブックス | |
紀伊国屋書店 | Kinoppy |
ドコモ | dブック |
セブン&アイ | 7netショッピング |
*上記以外にも、日本国内にはご紹介できないほどの電子書籍ストアが存在します。
Kindleを例にした電子書籍の購入方法
紙媒体の書籍の場合、これまでは書店に赴いて購入する方が多かったかと思います。また、最近ではAmazonなどで検索し、そのまま注文をする方も増加傾向にあります。検索しオーダーすれば、早ければ当日から翌日には書籍を手にすることができるので便利です。
さて、電子書籍の場合は、どのように購入すればよいのでしょうか。
電子書籍ストアは、これまでにもご紹介したように、現在では数多く存在しますが、中でも最も取り扱う書籍数が多いのは、やはりAmazonのKindleストアといえそうです。Kindleストアは、書籍で取り扱うベストセラーの電子書籍版も数多く取り扱っています。
そこでここでは、Kindleストアを例に、電子書籍の購入方法を簡単に説明しておくことにしましょう。
1)Amazonにアカウントを開設
AmazonのKindleストアを利用して電子書籍を購入するためには、Amazonにアカウントを開設する必要があります。アカウントとは、つまりは利用者の登録をすることであり、銀行口座を開設するようなものとお考えいただければと思います。
この際に、クレジットカードの登録を済ませておくと便利ですが、クレジットカードがなくても、コンビニなどでチャージタイプのAmazonギフト券を購入してチャージしておくこともできます。
2)Kindleストアにアクセス
アカウントの開設が完了してしまえば、あとはKindleストアにアクセスをして自分のアカウントでサインインすればOKです。
なお、Kindleストアへのアクセスは、PCはもちろんのこと、タブレットやスマホからでも可能です。また、電子書籍はこれらのデバイスに対応するアプリをインストールすることで、電子書籍専用端末をお持ちでなくても読むことができます。
3)書籍を検索しその場で購入する
Kindleストアでは、購入したい電子書籍を自由な単語で検索することができます。よって探している書籍名や著者名、探している分野や関連する単語を入力することで、自由に書籍を検索することができます。
「それじゃあ、立ち読みができないからなぁ」
いえいえ、最近ではサンプルとして、冒頭の10%程度を無料でダウンロードして読むこともできます。購入を決定したのなら、あとは購入ボタンを押せばそのままダウンロードすることが可能です。
なお、購入した電子書籍は、アカウントが紐ついたデバイスであれば、PCやタブレット、スマホ、電子書籍リーダーのいずれからでも読むことができます。
PCやタブレット、スマホで読む場合には、あらかじめ専用リーダーアプリをインストールしておくと便利です。これらは無料で提供されています。
4)Kindleの読み放題サービス
Kindleストアには、Kindle Unlimited(キンドル・アンリミテッド)という読み放題サービスも用意されています。
Kindle Unlimitedは、月額980円の定額制読み放題サービスであり、このサービスを指定しておくと、Kindle Unlimited対象の全書籍を、制限なく読むことができます。
書籍で購入できる全書籍が対象となるわけではありませんが、それでも新刊がサービス対応となることもあり、幅広くしかも数多くの電子書籍を読みたいという場合にはお勧めのサービスと言えそうです。
ただし一点注意が必要であり、電子書籍リーダー側に保持できるのは、10冊までとなっていて、それを超える書籍を読む際には、リーダー内の10冊のうちのいずれかを消さなければならないといった制約があります。
ただし、この手間さえ受け入れることができれば、定額でいくらでも読めるわけですから、お得といえばお得なサービスであるわけです。
電子書籍リーダー専用端末について知る
これまでも申し上げたように、電子書籍はPCやタブレット、スマホなどのデバイスでも読むことができます。しかしおすすめとなるのがやはり電子書籍リーダー専用端末の活用です。
電子書籍リーダー端末のメリット
電子書籍リーダーとは、電子書籍を読むための専用端末であり、読みやすさや読むための操作性に定評があります。あくまでも専用端末なので、書籍を検索し購入したり、それを読むために特化していることから、操作も特化したものとした設計がなされています。このため、操作方法は極めて直感的で誰にでも使うことが可能です。
また、先にもふれているように野外でも読みやすいように電気泳動方式を用いていることから、日光の反射などもなくあたかも紙媒体を読むかのような見やすさがあります。
一方で、バックライトやフロントライトの採用により、暗い場所でも読むことができます。なお、デバイスには、ライトがないものもありますが、シニア以降の方の場合は、ライト付きのものも選択することをお勧めします。
読書中に知らない単語に遭遇した際に、簡単にその意味を調べることができる機能もあります。フォントサイズを自由に変更することができるので、文字を大きくして読むこともできます。
電子書籍リーダー端末は、読むための機能を限定していることから200g前後と軽量であり、また、バッテリー駆動時間も長く、1日30分程度の使用の場合、数週間充電なしに使うことができます。価格も電子機器としては安めに設定されています。
書籍を数百冊、保存して持ち歩くことができるのも大きなメリットと言えます。また、最近では防水対応の製品も多く登場してきており、たとえばお風呂やプールサイドでの読書にも適しています。
電子書籍リーダー端末のメリット
・屋外での読書時も画面が見やすい
・ライト付であれば暗い場所でも読書可能
・1日30分で数週間充電不要
・軽量で200g程度しかない
・単語検索機能を有している
・電子機器にしては価格が安い
・防水機能付きのデバイスも増えている
まとめ
実は筆者も、少し前までは電子書籍について懐疑的な見方を持っていたごく普通のシニア層入り口に立つ男でした。
「単行本なら100円で買えるし、ポケットに入れて気楽に持ち運べるし」
と、そんな形で紙媒体を支持していたわけです。
しかしある日、電子書籍の世界に足を運び入れる切っ掛けに遭遇することになります。それは、Kindle専用のリーダー端末との出会いでした。とある中古ショップで、ほぼ新品の一昔前のリーダー端末を3,000円で見つけたのです。
3,000円であれば試しにと購入し、同時にKindle Unlimitedサービスに加入することになります。それから以降は、このリーダー端末をフル活用して現在に至ります。
現状においても、紙媒体の書籍と縁を切ったわけではありませんが、それでもリーダー端末は常に持ち歩いていて活用しています。
ちなみに、所持する端末はWi-Fiでネットにアクセスするタイプなので、外出先ではこれをスマホのテザリング機能を介してネットに接続して使用しています。
Kindle Unlimitedでは10冊までは端末内に保持することができるので、これを読む場合にはネットに接続する必要はありません。しかし、常に興味分野が広がってしまうことから、移動先でも書籍を検索する必要があり、ネット接続は欠かせない状況になっています。
これまで電子書籍に触れた経験がないのであれば、ぜひ試しに始められることをお勧めします。持て余す時間を、場所を選ばず読書に使うことができることになるはずだからです。
なお、本ブログでは、完全無料で昔の名作を読み倒す方法についての記事もご用意しています。もしご興味がおありであれば、参考としていただければ幸いです。
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