シニア以降生きるために生活費を確保する
これまでサラリーマンとして働きあげてこられた方であれば、シニア以降の生活についてもある程度の安定を得ることができるかもしれません。60歳で定年を迎えたとしても、退職金を手にすることができるうえ、嘱託などで雇用が継続されることでしょうし、65歳以降には、年金の受給を得ることができるからです。
しかし非正規労働者の割合が増加傾向にあり、労働人口の4割を占める現在においては、老後の生活について大きな不安を抱えられている方も決して少ない数ではないのが実情です。
退職金がない上、まともな年金の受給を得ることができず、しかもまとまった貯蓄があるわけでもありません。また、働こうにも、なかなかまともな収入を得る仕事を得ることができません。さて、どうしたものかと頭を抱えてしまうわけです。
さて、このように老後においても自ら生活費を稼いで生きなければならない人々が増加の一途を辿る現状において、私たちはシニア以降自ら生活費を稼いで生きていく術を身に着けておく必要がありそうです。
ということで今回は、シニア以降自ら生活費を稼いで生きていくために把握すべきことというお話を進めていくことにしましょう。
シニア世代の雇用状況
政府主導による一億総活躍社会の実現に向けた取り組みとして、定年年齢の60歳から65歳への移行を挙げることができます。また、一部業態や市場における人材不足の影響もあり、シニア世代でも得ることのできる仕事は徐々にではあるものの広がりを見せつつあります。
ただし、日本の場合再雇用に開かれた環境には現状も程遠く、シニアが自由に業種や職種を選んで働くことができるかというと、そこまで高い自由度はないのが現状です。
また、シニア世代で得ることの仕事は、おおよそ労働時間が限られた低賃金といえるものが目立ちます。よって、ある程度の収入を得続けるためには、複数の収入源を確保する必要に迫られることが少なくありません。
軽度な仕事を複数確保する
得ることができる個々の仕事の単価が安く、しかも労働時間が限られたものが多い場合、まとまった収入を得るためには、複数の収入源を確保する必要が生じることでしょう。
しかし考え方によっては、複数の収入源の確保は、シニア世代に合った働き方であるとも言えます。
たとえば、65歳の方が近隣のスーパーの駐車場でカートを移動する仕事を得たとします。時間は10時かあら14時までの4時間であり、時給は1000円。週4日の仕事だったとします。この場合、月の給与は64,000円となります。
仮に年金受給額が月額12万円程度あるのであれば、給与+年金額の計は18万円を超えることになり、シニア世代において、夫婦がささやかに暮らしていくことはできない額ではありません。また、1日4時間の労働であり、午後仕事を終えた後は毎日ゆとりある時間を過ごすことができます。休みも週に3日あるわけですから、余暇を楽しみながらも生活を維持することができるはずです。
しかし仮に、年金受給がほどんど得られないとするならば、月6万円のみとなり生きていくには少々無理があることでしょう。
そこで、その他の収入源を模索することになります。仮に最低でも月10万円の収入は確保したいというのであれば、あと3万6千円程度は稼ぐ必要が生じるわけです。
そこで、フルに空いている日を用いて、清掃の仕事を始めたとします。早朝の3時間の仕事であり、週3日程度です。たまたまスーパーの仕事との並行してこなすことができる時間帯であり、これによって月10万円の収入を確保するというものです。
このように、軽度な仕事をダブルワークとして組み合わせることで、必要な生活費を稼ぐことは、65歳以降であったとしても不可能ではないわけです。
日雇い請負派遣の活用
昨今、日雇い請負派遣を活用するシニア世代が増加傾向にあります。日雇い請負派遣とは、文字通り一日単位の請負派遣業であり、都市圏であれば複数の派遣会社が存在します。
登録制となっており、説明会に参加することで登録が可能となる会社がある一方で、Webのみで完結できる会社もあるようです。
派遣会社に登録をすませておけば、必要な時に仕事の予約を入れることができるようになります。また、仕事がWebで一覧として確認可能となったり、その場で予約が可能となる場合もあります。
いずれにしても、日単位の仕事を得ることが可能となり、しかも給与をその日や翌週などに受け取ることができることから、細切れ的な仕事として組み込む上で便利に使うことができるはずです。
ただ、仕事自体は比較的体力勝負のものが少なくありません。また、シニアが連日行うには少々負担が大きい仕事が多いかもしれません。
雇用されない収入源の確保
サラリーマンとしてこれまで生きてこられた方からすれば、少々イメージしにくいことかもしれませんが、複数の収入源を得るための選択肢の一つとして、雇用されない収入源の確保も併用して考えておくことで、収入源の幅をさらに広げることが可能となります。
月3万円程度の収益モデルを複数構築
現在、インターネットの存在があることから、私たちは比較的容易にマネタイズ環境を得ることが可能となってきています。それぞれ、多大な資本を投じることなく、収益モデルを確保することができるわけです。
よってこれらを模索しながら、時間を掛けて収益モデルとして育てていくこともある意味価値のあることと言えそうです。
インターネット上のマネタイズモデル
・電子書籍販売
・オンライン物販
・オンラインサロン
・ギグエコノミー
・クラウドソーシング
広告収入
インターネット上には、誰もがブログやサイトを構築することが可能です。無料のブログサービスを用いることもできますし、ドメイン取得とWebサーバーのレンタル、Wordpressの設定などによって独自の環境を構築することお可能です。
また、自らのサイトやブログを時間を掛けて育てることで、徐々にアクセスユーザー数を集めることができるようになります。
さて、日々多くのユーザーが集まるサイトやブログを構築できるようになれば、そこに広告を貼ることで広告収入を得ることが可能となります。
広告は、クリック型のものから成約型のものまで複数存在しますが、多くのアクセスを集めることができれば、そこから得られる収入も増えることになります。
ちなみに、月10万PV程度のアクセスを集めることができれば、単に広告を貼り付けだだけでも3万円程度の収入を得ることができるはずです。
電子書籍の販売
これまで書籍を出版し印税を得るといった収益モデルは非常に高い敷居がありました。企画を出版社に持ち込むとともに、出版企画会議を経て出版へと至るには、それなりの実績が不可欠だったからです。
しかし現在では、誰もが電子書籍を作成し、これを販売する環境が整っています。
たとえばAmazonのKindleでは、誰もが電子書籍の売り側に回ることができます。また、その際のコストもほぼゼロで実現することができます。
また、出版社を介した場合10%程度の印税しか得られないのに比べて、電子書籍の場合は売値の80%程度を収入として得ることが可能となります。
電子書籍とて、販売数を維持するためには、ニーズのあるコンテンツを作成する必要はあります。また、モノによってはまったくユーザーの支持を得られないこともあります。
しかしながら、電子書籍では、誰もが売り側に回ることができ、マネタイズを追求できるモデルとなっていることについて、知識として持っておいて損はないはずです。
オンライン物販
先にブログを構築し、広告収入を得るモデルをご紹介していますが、自分のブログでは、たとえば仕入れた商品を販売することも可能です。ちなみに、商品をネットで販売することをオンライン物販を呼びます。
最近では、決済システムも充実してきていることから、私たちは自らのサイトによって、容易に商品を販売することが可能となっているわけです。
これまで物販を実現するためには、実店舗を用いる必要がありました。これには多額の投資が必要となりました。しかしブログを販売拠点とするならば、コストはゼロで始めることができるといったメリットがあります。
とはいえ、ブログに誰からもアクセスがなければ成立しないモデルであり、容易に実現できるものではありません。しかし、昔のように多大な先行投資を必要とせずに、マネタイズを追求できるようになってきているわけです。
オンラインサロン
最近では、特化した情報を発信するとともに、同じ興味を持つユーザを集めることで、定額制のオンラインサロンを構築することができるサービスが普及してきています。これらのサービスを活用することで、誰もがオンラインサロンの運営側へと回ることが可能です。
シニアの場合、それぞれに人生を歩んできているわけですから、その際に得た知識や経験を豊富にお持ちの方も少なくないことでしょう。これらのノウハウを幅広く提供するオンラインサロンを開設することで、これを収入源として機能させることができるのです。
なお、オンラインサロンの場合、月額制となっています。このため、サロンの会員を集客することができれば、以降は安定した収入を得ることが可能となります。
たとえば、月額2000円のサロンにおいて、会員500人を集めることができれば、月々の売上はそれだけで100万円に達することになります。売上はそのまま収入になるわけではなく、30%程度の手数料は差し引かれますが、それでも毎月70万円程度の収益を得ることができることになります。
ギグエコノミーの活用
今後は日本においてもギグエコノミーが一般化するとの予想がなされています。ギグエコノミーとは、インターネットを介して単発の仕事を発注する働き方や、それによって成り立つ経済形態をいいます。
たとえば、ある人が家の掃除をしたいと考えたとします。この人はギグエコノミー提供サービスにアカウントを持っていれば、仕事内容や時間、報酬額などをスマホアプリに入力します。するとこの情報は近隣に住む細切れの仕事を探すユーザに通知されます。
ユーザがその仕事を受ける旨のアクションを起こせば、仕事の受発注は完了となると言ったものです。
今後はこの手のサービスを提供する業者やサイトが急拡大していくことが予想されています。細切れ時間を収益に変えることが今まで以上に容易になることが予想されているわけです。
クラウドソーシングの活用
クラウドソーシングとは、不特定多数の人の寄与を募り、必要とするサービスやコンテンツを取得するプロセスをいいます。たとえばある企業が、サイトを作成する必要があり、そこで発信するコンテンツを求めていたとします。
企業はクラウドソーシングサービスを介して、コンテンツの執筆依頼を行います。すると、これが募集情報として仕事を求めているユーザに開示されるわけです。
クラウドソーシングでは、原稿、コピー、デザイン、サイト作成、プログラミングなど様々な仕事が常時発生しています。よって、クラウドソーシングを活用することでも、収入源としての選択肢を増やすことができることになります。
まとめ
これまでご紹介してきたように、複数の仕事をダブルワークとして持つ以外にも、現在の私たちは数多くのマネタイズモデルを持つことができるようになってきています。
いずれも、着手すればすぐに高い収入を得られるほど楽な展開を図ることはできませんが、それでも時間を掛けてジックリと取り組むことで、自分に合った働き方を実現することができます。
また、その多くは、仕事をするといっても現場に働きに行くといった必要がありません。このため、場所や時間に依存することなく、収入源を確保することができるといったメリットがあります。
これはたとえば、海外で生活をしながらも、PCやインターネットを介して収益を得ることさえできることになります。
これまでにはまったく存在し得なかった働き方ではありますが、今後は急速に一般化し、私たちの生活に浸透していくことが予想されています。ぜひとも知識として、あらかじめ把握されておくことをお勧めします。その知識は、シニア世代の生活を、さらに豊かっで安定したものへと変えていくための力となってくれるはずです。
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