年金が少なく生活ができない人が老後を生き抜く方法

シニア生活

ミドル世代になって、そろそろ老後がまじかに見えると、さすがに生活をどうしようかと考えるようになるものです。そしてそこでハタと気付くことになる人も少なくありません。

「年金が少なくて生活できそうにない」

さて、どうしようかという話になるわけです。そこで今回は、年金が少なくて生活ができない人が老後を生き抜くための方法について考えを進めていこうと思います。

これといった対策もなく老後が近づく現実

 

万全な準備の下で老後を迎えることができればベストであるわけですが、実際には老後の備えについてあまり計画的にできない人も少なくありません。

というのも、住宅ローンの返済に追われたり、ミドル世代以降は、お子さんの教育費が増大したりといった要因から、老後の備えについてはどうしても後回しにせざるを得ない現実があります。

また、バブル崩壊以降、日本国民の実質所得は右肩下がりの状況が今なお続いており、多くの方が困窮状態にあえぎながらも、必至に生きることを余儀なくされているからです。

年金額では生活が維持できないことが確定している場合

もっともシンプルに考えた場合、月々の生活費に年金額が足りないのであれば、対策は二つということになります。

年金額が足りない場合の対策

1)支出を削減する
2)収入を上げる

つまり、収支バランスを取る方法を考え、「収入>支出」を満たすことを目指すことになります。

「それはわかるが方法がない」

確かに多くの方は、そのように思われるかと思います。しかし、やってできないことではありません。というのも、現在多くの方が年金額が生活費に届かない状況において、老後を生き抜いていらっしゃるからです。

つまり、多額な貯蓄をもってして老後を迎えずとも、生き抜いていくことは可能なのです。

「でも、どうやって?」

支出を削減する

収支バランスが取れないわけですから、支出を削減することを考えていく必要があるわけであり、これは至極当然のことといえます。しかしこれがなかなかできないものです。というのも、人の多くは、自分が現在手にしているライフスタイルを変えることなく、問題を回避したいと考えるからです。

たとえば、支出を削減するために、人の多くは節約を試みたりします。これはこれで有効な手段のように思います。しかし、単に節約を実行したとしても、それによって生み出されるお金は、ストレスの割にわずかなものとなります。このため、ストレスのバランスを取ろうと意識する瞬間に、そのお金は消費されなくなるということがおおよそのオチだからです。

借金の完済

60歳以降の収入に不透明性があるのであれば、その時期を迎える以前にローンの残債を前倒しに減らしたり完済しておく必要があります。

債務の場合、収入の有無にかかわらず返済を続ける必要があります。

「今月はお金がないので」では済まされず、滞納が続けば家さえも失うリスクがあります。このため、多少辛くてもローンについては60歳までに完済することが望ましいといえます。

また、モノをローンで購入するという習慣を断ち切り、60歳以降においてローン返済を皆無とすることが必要となります。

固定費等の削減

固定費とは文字通り毎月固定的に発生する費用を言います。たとえば公共料金や通信費などは、価格に多少の差はあるものの毎月発生するコストであり固定費といえます。また、賃貸物件にお住いの場合には家賃が発生するはずです。

60歳以降の収支バランスを取るためには、それ以前から固定費に注目をしてこれを削減することが有効となります。

無駄なサービスを停止するとともに、より安いサービスへの切り替えなどを行うことで、月々の固定費を圧縮することは、手間はかかるものの不可能な話ではありません。

たとえば大手キャリアから格安SIMなどに家族全員で乗り換えることで、年間の通信コストを10万円の単位で圧縮することが可能となります。通信品質が低下する場合もありますが、それでも必要最低限の用途は保持できるものです。

また、固定費として最も大きなものに家賃があります。家賃は契約更新時に大家さんと交渉をすることで減額できる場合があります。また、月収の30%を上回る家賃が発生している場合には、それを下回る物件に移り住むなどの対策も考えたいものです。

60歳以降であれば、お子さんも独立しているでしょうから、以降は夫婦二人で暮らすことができる間取りで生活を維持することができます。また、単身者の場合は、ワンルームなどに移り住むことも検討したいものです。

「質素な生活でも借金のない自由」

ささやかながら、そんな中にこそ、真の幸せがあるようです。

断捨離

断捨離は、ひととき流行した言葉でもあるので、ご存知の方もおおいことでしょう。断捨離とは、断行、捨行、離行という3つの行いによって構成される思想であり、不要なものを減らすことで生活に調和をもたらそうとするものです。

ちなみに断行とは、今後不要なものの一切を断つこと、捨行とは現在所有するものの中で不要なものの一切を捨てること。そして離行とは、物への執着から離れることを意味します。

家にため込んだものの中で、日々用いることのないものをまずは廃棄します(捨行)。いつか使うだろうというものを排除し、日々必要不可欠なもののみの生活を手に入れるわけです。

当然、家の荷物は激減することになりますが、この生活に慣れてくると、意外にもその環境の快適性について気づくことになります。

するとそれから以降、安易にモノを部屋に買い入れることの無意味さに気づくことになります(断業)。また、資本主義社会にありがちな無駄な消費意欲が低下し、無理なくモノへの執着から解放されることとなる(離行)というわけです。

実際に断捨離に取り組む人のお宅にお邪魔すると、家の中は広々としているものの、快適性を欠くことはありません。そんな環境の中での生活を、有意義に楽しまれていたりするものです。

なお、不用意にモノを増やすことがない事から、支出額は大幅に削減されるものです。それは、無理しての節約とは次元の異なる大きなコストダウンとなり、それでいて当人は全くストレスを感じることがないといった特徴があります。

できれば50代から断捨離を行い、徐々にこの生活に慣れていただければと思います。60代以降の生活費は、大幅に削減され、それでいながら、毎日充実した日々を送ることに成功するはずです。

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収入を上げる

支出を徹底して削減するのと同時に収入を上げることで「収入>支出」といった収支バランスを確保することのできる確率を引き上げることができるものです。

しかしながら60代以降の仕事は、正社員として企業の中枢の仕事を担うことは難しく、むしろ末端の単純作業がほとんどだといえます。よって、60歳になってから単独で仕事を探す場合には、まずこの相違を受け入れることが必要となります。

仕事の確保

60歳以降の仕事についても、その探し方には様々なものがあります。ただしその多くは時給換算となり、生活を維持できる程度の月収を得ることはなかなか難しいものです。しかし中には、常勤において20万円程度の月収を得られるものも皆無ではありません。

60歳以降の仕事探し

・シルバー人材センター
・シニア向けの派遣
・日雇い請負派遣
・アルバイトパート

シルバー人材センターは、60歳になる年の年度始まりから利用することが可能です。ただしここでの仕事で月収20万円程度の仕事を得ることはできません。あくまでも生活の足しにする程度の収入として認識されておくことをお勧めします。

次のシニア向けの派遣ですが、首都圏や商業都市圏では、事務職の派遣としてシニアを受け入れる派遣会社があります。時給は1200円程度ですが、比較的楽に収入を得ることができます。

また、派遣でもプログラミングや設計などができる方の場合、より高い時給を得ることができる場合もありますし、クラウドソーシングなどに取り組むことで、自宅に居ながらにして収入を得るという方法もあります。

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日雇い請負派遣は、その名の通り日雇い派遣であり派遣会社を介して現場へと派遣され働くことになります。おおよそは末端の軽作業ですが体力的に厳しいものが少なくありません。

最後のアルバイトパート探しは、コンビニやスーパーなどで配布されるフリーの求人情報誌で得ることができます。これらの雑誌はインターネット上にサイトを用意していたり、アプリを提供しているので、これらを用いると目的とする職種を容易に見つけ出すことができます。

最近では業態によって人材不足の企業も少なくないことから、数多くの求人に応募することで、仕事を得る可能性を高めることができます。また、求人の中にはシニアを対象としたアルバイトやパートも存在します。

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収入源拡大の準備

60歳を過ぎて仕事のあてがなく、さりとてこれまでご紹介した仕事では生活が成り立たないという場合には、50代のころから準備をすることで収入源を拡大しておくという方法もあります。

現在ではインターネットの存在があることから、マネタイズの方法は数多く存在するからです。

ただし、いずれも容易にお金になるわけではなく、それなりの準備と収入を上げるまでの試行錯誤は必要となります。本ブログでは、収入源拡大のための記事をご用意しています。

まとめ

巷では「3000万円なければ老後を生き抜くことはできない」といった類の煽り記事をよく目にします。この記事の意図がどこにあるのかは知る術がありませんが、実質年収の下落傾向に歯止めがかからぬ現在、一部上場企業以外の労働者の方の多くは、この条件をクリアすることなく老後を迎えることになります。

お金はあればあるほど生活に余裕を作り出すことができるものです。しかしだからと、多額の貯蓄額を保持していなければ、老後を生き抜くことができないわけではありません。

実際、3000万円とは無縁の高齢者の多くは、それぞれにシニアライフを楽しんでおられるわけです。

ただし、これまでにも申し上げたように、快適なシニアライフを過ごすためには、事前の準備や、意識改革はある程度必要となるものです。

収入が下がったりなくなったりするわけですから、現役時代の金銭感覚で生き抜くことが難しくなるのは、むしろ当然のことですが、それでも道はさまざまに用意されています。

「もう終わりだ」などと悲観することはなく、しっかりとした対策を図ることができれば、それは遅すぎるということはないのです。

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