無年金の場合の第二の人生の生き方を考える

シニアお金

最近では、企業における厚生年金の加入が徹底されてきていることから、たとえ非正規労働者であったとしても、厚生年金加入で働かれている方は大多数かと思われます。

しかし、昭和から平成に掛けて非正規で働いてきた方や、中小零細企業で働いてきた方、さらにはアルバイトで生計を立ててこられた方の場合、企業のサポートをなんら受けることができず、しかも国民年金の保険料を収めるだけの余裕がなく、無年金状態で第二の人生のスタートを切らなければならない方は、今後増加傾向をたどる可能性があります。

また、年金はあるもののとても生活ができる額ではないという方も少なくないはずです。そこで今回は無年金の場合の第二の人生の生き方について考えを勧めていくことにしましょう。

最初から生活保護に頼るのはお勧めできない

生活保護を恥じる必要はないが

年金がないままに65歳を迎えた場合、生活保護に頼る方法があります。65歳以降は生活保護要件から労働条件はなくなることから「生活保護に依存する前に働け」とは言われなくなります。

また、65歳以降は就くことのできる仕事も制限されてくることから、他に道はないと考えられる方も少ない数ではないはずです。

生活保護は、日本における最終的なセーフティネットであることから、生活に困窮する状況に陥ったなら、恥じることなく受給すべき制度と言えます。しかし、自ら自立して生活をして働く気力があるのであれば、65歳から生活保護に依存するのは少々もったいないといえるかもしれません。

65歳はまだまだ自由を謳歌できる

というのも、現在の65歳はまだまだ体力や思考力もあり、その気になれば、自分の力で自由な第二の人生を過ごすことも、それを楽しんで生きることも十分に可能な年齢にあるからです。

生活保護を受けた場合、生活にも制約がかかることになりますし、日本人の場合、どうしても後ろめたさを感じる人が少なくないからです。

また、生活保護を受けることで、働かずに生活をすることは可能となるものの、社会との接点を失うのみならず、自由を謳歌したり、生きがいを追求すると言った機会さえも失うリスクがあります。

よって生活保護に頼るのは、むしろ自らまったく収入を得ることができなくなったその先でも、遅すぎることではないわけです。

動けるうちは自立した生活を

昨今では人生を100年と捉える考え方も広まりつつあります。実際に平均寿命や健康寿命はいまだ伸びをしめしており、今後の医療技術がさらに進化すれば、実際に人生100年が一般化する可能性もないとはいいきれない状況です。

このため、老後を迎える65歳においても、実に35年にも及ぶ余生があることになります。よって、65歳を迎えたからと、その時点で老後と捉えるのは少々早すぎるのではないかとの考えも成り立ちます。

実際に現在の65歳はまだまだお若い方が多く、隠居などといった雰囲気はそこにはありません。仮に無年金状態や年金のみで生活ができない場合には、単に現役世代を引き伸ばし、動けるうちはいままで通り自立した生活を送るとともに、その中で第二の人生を自由に謳歌する道を模索することも賢い選択のひとつとなりそうです。

仕事を続けることで得られるメリット

・社会との接点を確保できる
・自己の存在意義を保持できる
・健康維持につながる
・自由を謳歌できる
・自由な働き方のチョイス

第二の人生において仕事というと、人によっては気が重くなる人もいらっしゃるかもしれません。しかし、現在では6割以上が老後も仕事を続けたいと考えているとの数値もあります。

生活を維持するためということも大きな要因のひとつですが、実は他にもさまざまな要因において、仕事を続けたいと考えていることがわかります。

さて、では第二の人生においても仕事を続けることで得られるメリットとはなんでしょうか。

第一に、社会との接点を確保できるという点を挙げることができます。年金生活となり、完全に仕事を辞めてしまうと、それ以降、社会の動きから隔絶してしまうような思いにとらわれる方は少なくないものです。そしてこれを起点として、精神的不安定に陥ったり、認知症を発症するというケースもあるわけです。

第二には、自己の存在意義を保持できるというメリットをあげることができるでしょう。仕事の多くは、時間を切り売ることで労働を提供し、その対価として給与を得ることであるはずです。このため、社会的に何らかの貢献を果たしていることとなり、自己の存在意義を実感として捉え続けることができます。

第三のメリットとして、健康維持を挙げることもできます。仕事を続ける場合、それぞれに健康管理の必要が生じるはずです。働けなくなった場合、それは生活の困窮に直結してしまうわけですから、常に健康に留意し、末永く働き続ける身体を持ち続ける必要があります。よって、第二の人生に仕事を持つということはそのまま元気で居続けることにも直結するわけです。

また、仕事があるわけですから日々病院通いということもできません。このため、自己管理をしつつ健康を維持する必要があり、結果として健康体を維持することにもつながるわけです。

第四は、第二の人生において自由を謳歌できるという点です。「働いているのに自由など謳歌できるのか」と思われた方も少なくないはずです。

しかし、仕事による義務的な時間があるからこそ、空いた時間を有効に活用する意欲や自由を謳歌したいといった願望を持つことが可能となるものです。

そして第五としては、第二の人生においては、自由な働き方をチョイスすることができるといったメリットもあります。これについては、次に説明を勧めていくことにしましょう。

第二の人生における仕事のメリット

シニアにおいては、企業の中枢や管理職としてバリバリと働くといった仕事は、一部の職種を除いてあまりないのが現実ではあります。おおよそは末端の労働に限られ、賃金も安いものに限られることになるはずです。

しかしそんな仕事であっても、これを逆にうまく活用する方法はあるものです。
では、第二の人生において得られる仕事に内在するメリットとはなんでしょうか。まずはこれについて見ていくことにしましょう。

近くに仕事を見つけることができる

第二の人生に置ける仕事とは、いわゆるアルバイトに相当するものが多数であるはずです。よって低賃金の時給の仕事に限られる場合が少なくありません。

しかしだからこそ、近隣の仕事を見つけ出すことは難しい話ではありません。近くの企業や店舗などで出している求人を探すことで、通勤時間がなかったり、徒歩や自転車で通うことができる仕事を得ることは難しい話ではありません。

重責を担う必要がない

末端労働であるわけですから、現役時代のように重責を担う必要がありません。このため、設定された時間の中で、指示された仕事をこなすだけでことが足ります。
当然のこと、残業などの必要もなく、意図しない時間までを奪われることはないわけです。

働く時間を自分で決定できる

現役時代においては、平日であれば朝から晩まで、繁忙期には夜中まで働く必要があったかもしれませんし、週末も休出をしなければならないこともあったはずです。

しかし、アルバイト程度の仕事であれば、たとえば午前中だけ働きたければその時間帯の仕事を探せばよいことになります。また、午後から夜まで働きたい、平日の3日のみ働きたい、週末のみ働きたいと言ったそれぞれのニーズに対応した仕事を探せば良いことになり、働く時間を自分なりに自由に設定することができるといったメリットがあります。

複数の仕事を並行して得ることもできる

サラリーマンの場合、これまで副業を禁止する企業が主流を占めていました。今後は働き方改革もあり、この傾向は緩和される可能性が高いと言えますが、第二の人生においてたとえばアルバイトをすると考えた場合、ダブルワークを制限されることはまずありません。

このため、平日は午前中の仕事を、週末はフルに働くといった事も、午前中の仕事と夕方の仕事を組み合わせるといったことも可能となります。つまり、自分のニーズにあわせた働き方を自身で設計することができるわけです。

様々な業界内部を見ることができる

これまでひとつの業種のサラリーマンとして働きあげたという方の場合、異業種の世界を目にする機会はなかったかもしれません。しかし、第二の人生においては自由に仕事を探すことができるわけですから、様々な業界内部を見る機会を得ることも可能となります。

自由にアレンジできる第二の人生の仕事

第二の人生の仕事について「自由にアレンジできる」と申し上げると「シニアの仕事にそんなに幅はないのでは」といったご意見を頂戴しそうです。

しかしこれまでの説明からもご理解いただけるように、そんな仕事においても、メリットは内在するものです。そしてこれを組み合わせることで、第二の人生の仕事におけるメリットのみを享受することの可能となります。

そこで第二の人生においての働き方モデルをいくつかご紹介することにしましょう。なお、これらの働き方は実際にシニアの方がチョイスされているものも少なくありません。

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午前中だけ週7日間働く

「週7日間働く」というと人によっては「シニアでそんなに頑張れるのか?」といった感想を持たれるかもしれません。週7日間といえば休みが一切ないことになるからです。

しかし実際にこのような働き方を取り入れ、むしろ自由な第二の人生を送られている方がいらっしゃいます。

この方は午前中の仕事のみに注目して、2つの仕事先を持ちます。週によっては双方の仕事が空白となることもあるようで、その日は休日となりますが、基本的には週7日、午前中のみ働いているわけです。

午前中において5時間程度の労働となるようですが、実質月28日程度の労働を得ているといいます。午前中のみなので午後は毎日自由な時間を得ることができますし、雑務なども必要であればいつでもこなすことができます。

趣味の時間を毎日十分に取ることもできます。また、生活パターンを一定に保つことができるため、これといった負担もないようです。

実質の収入はおよそ手取り12万円程度ですが、ひとりでの生活であることからお金をかけることはなく、これでも十分に生活をエンジョイすることができているようです。

日雇い請負派遣+アルバイト

日雇い労働は労基法で禁止されているわけですが、請負派遣は現在でも存在し企業ニーズに応えているようです。日雇い請負派遣は文字通り、日単位の仕事であるわけですが、学歴や年齢に制約がなく、空いた日を労働に当て、収入を得ることができるといったメリットがあります。

中には重労働もありますが、そのような仕事は受けなければよいことになります。
毎日仕事があるわけではないようですが、アルバイトの日程の空きを日雇いにあてることで、ある程度安定した収入を得られるといいます。

3ヶ月働いて1ヶ月の海外放浪生活

現在のシニアの方の中には、一部の若者と同等のパワフルな日々を送られる方もいらっしゃるようです。

一人暮らしのこの方は、生活費を最小限にまで落とすことで、自由を手に入れています。3ヶ月はフルに働いては、1,2ヶ月は海外を放浪するといいます。

生活費を最小限に抑えるとともに、3ヶ月間はフルに働くことで、毎月10万円ほどのお金を貯蓄へと回します。そして1ヶ月は途上国などを放浪するといった生活です。

主にドミトリーやシェアハウスなどを活用した貧乏旅行となりますが、それでも広範囲に放浪を楽しむことはできるのだそうです。

本業の合間にアルバイト

シニア世代においても本業を持たれている方は少なくないものです。本業のみで十分に生計を立てることができる方の場合、年齢に関係なく本業に従事するわけですが、一方、働き方をあえて制限するとともに、空いた時間をアルバイトにもあてることで自由な時間を最大限に確保しながら、第二の人生を楽しむというスタイルも可能となるわけです。

クラウドソーシングで海外生活

エンジニア上がりの方の中には、クラウドソーシングで収入を得るシニアの方も増え始めています。

昨今、Webの需要には高いものがありますが、HTMLやCSS、さらにはPHPなどに精通しているエンジニアであれば、年齢に関係なく、実績重視で仕事を得ることが可能となっているからです。

中には、安定した収入を得ながらも、海外での生活をエンジョイされるシニアの方も増加傾向にあるようです。

あくまでも日本での受注となるわけですが、Webサイトの構築に勤務場所を限定する必要がありません。また、成果物はメールやクラウド経由で納品ができることから、海外にいようとも収入を得ることができるわけです。

一方、途上国においては、日本よりも低いコストでの生活が成り立つことから、適度な労働であっても、十分に生活を成り立たせることが可能となる場合が少なくないわけです。

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まとめ

無年金、もしくは年金額では生活が成り立たない場合、第二の人生においても労働をすることで生活を維持する必要があります。

しかしこれまでのモデルでご紹介したように、シニアの仕事にはメリットも多数内在します。また、これらのメリットを組み合わせることで、人生を楽しみながらも労働を続ける方法は多岐にわたることをご理解いただけたはずです。

また、昨今ではインターネットを介して収益源を模索する道も増加傾向にあります。これらを早いうちから収益につなげる準備を始めることで、自宅にいながらにして収入源を得ることも可能となってきているのです。

「でも、働けなくなったらどうしよう」

特に単身者でかつ無年金の方の場合には、このような心配を抱えられる方も少なくないはずです。この場合、あらかじめ対応策を図る必要は確かに有るものです。

しかし生活が成り立たなくなった場合のセーフティネットは存在します。また、困ったときに相談をするための機関も日本には存在します。これらの知識をあらかじめしっかりと持っておくことで、不安を最小限とする方法は存在します。

徹底した準備は不可欠ですが、第二の人生だからと不用意に不安を抱える必要はないわけです。

むしろ、第二の人生は、これまでにできなかったことにトライすることができる余力が、昨今のシニア世代にはあることを、ぜひとも認識していただければと思います。人生まだまだ先があるわけです。楽しまなければ損であるわけです。

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