待ちに待った第二の人生のスタート。やりたかったことをやりたいだけすることができる日々です。奥さんを連れて国内や海外を訪れる方、釣り三昧の日々を楽しむ方など、その過ごし方は様々であるはずです。
ところが、スタートから1年程度を経過したころ、すべてのことに飽きてしまったという方もちらほらと見受けられるようになるものです。
人生には、それぞれ明確な目的が必要となるようです。ところが、すべてが自由時間となると目的を失ってしまうことから、以降を惰性で生きることにもなりかねません。
そこで今回は、時間を持て余してしまっている方に向けて、プログラミングの世界をご紹介することにしたく思います。
プログラミングの概念
プログラミングというと、それだけで抵抗感を示される方も少なくないわけですが、ぜひ肩の力を抜いていただき気楽に読み進めていただければと思います。
プログラミングって何?
現在のコンピュータは、ご自宅にあるPCからスマホに至るまで、そのすべてがプログラムと呼ばれる命令の集積によって動作していると言えます。そしてこのプログラムを作成することをプログラミングといいます。
つまり、コンピュータを動作させることを目的として、指示書を作成することがプログラミングであるわけです。
ちなみに、プログラムの集積がシステムであり、アプリであり、ソフトウェアということになります。よって、私たちは日々何らかの用途において、数多くのプログラムを活用し、その結果として利便性を享受していることになるわけです。
プログラムの初歩の初歩
「何やらイメージできない」とおっしゃる方のために、もう少し敷居を下げて説明を進めることにしましょう。
コンピュータなど扱ったことがないという方であっても、電卓を使ったことがないという方は皆無であるはずです。電卓を操作して、たとえば1+1の解を得る場合「1+1=」と打鍵をするはずです。
これはつまり、電卓に対して1+1の計算するように指示をしていることになります。電卓はこれを理解して「2」という解を表示します。
電卓はいわば電子計算機でありコンピュータであるわけですから、これに対する指示はプログラムの一端であるといえます。つまりこの場合「1+1=」が一行のプログラムコードであるわけです。
コンピュータはプログラムで動作している
「1+1=」の命令においては、ひとつの加算を行うだけのものでした。しかしプログラム言語にはさまざまな機能を実行することができる命令が存在します。
たとえば、ファイルに情報を書き込んだりその情報を読み込んだり、文字列を扱うことも編集することもできます。さらには情報をモニターに表示することもできます。
また、個々の小さな命令を組み合わせることで、高機能な命令関数を組み上げることもできますし、プログラム言語によってはあらかじめ用意された高機能な命令もあります。
そしてこれらの命令の集積によって、プログラムは作成され、コンピュータ上で機能することになります。このプログラムの作成のことをプログラミングというわけです。
BASIC言語に見る命令の初歩イメージ
「1+1=」が命令であることをご理解いただいたことを踏まえて、次に実際のプログラム言語の初歩的なイメージをご理解いただくことにしましょう。
実際のプログラムが、どのように書かれるとともに、それがコンピュータ側でどのように実行されるかといったことをイメージとしてご理解いただければと思います。
ちなみに以下でご紹介する命令は、BASIC言語を例にしています。BASICは1964年に米国ダートマス大学において教育用として登場した言語であり、beginner’s all-purpose symbolic instruction code、つまり初心者向け汎用記号命令コードをいいます。
昔懐かしいNECのPC9801シリーズにデフォルトで実装されていた言語でもあります。
プログラムは情報を一時記憶できる
電卓にはメモリ機能が備わっています。一つの計算結果を一旦保存しておいて、別の計算結果との四則演算を行えることをご存知のはずです。
プログラムは、複数の命令を書いて、一度にコンピュータに与えることができますが、いくつもの記憶場所を持っていて、複数の数字や情報を一時的に記憶することのできる機能があります。
B=2
たとえば、上記プログラムにおいては、Aという領域に1を記憶することができます。また、Bという領域には2を記憶するようにコンピュータに指示することができるわけです。
ちなみにここでは、右から左へと情報が流れるイメージで抑えておいていただければと思います。また、この命令における「=」は、情報を転送する機能を持つものとご理解いただければと思います。
記憶した2つの情報を加算
次に上記の命令を実行したとします。
先にAには1を、Bには2を記憶させました。この命令ではAの箱に入っている数値と、Bの箱に入っている数値を計算して、Cの箱に入れろという命令だとご理解いただければと思います。
さて、Cの箱には何が記憶されるでしょうか。ご名答です。Cには3が記憶されたわけです。
条件設定ができる
私たちは日々様々な情報を得るとともに、その情報によって行動を起こしたり起こさなかったりといった判断をすることがあります。
たとえば新聞の折込チラシを観て必要とする野菜がいつもより安ければ買うと判断する一方で高ければ買わないと考えたりしますよね。
プログラムの中でも様々な条件を設けることができ、その結果によって次に行うべき命令を指示することができるようになっています。
A=3
END IF
いきなり何やら難しい3行が登場しました。
これは、先頭行でAの箱の中身を調べて、もし3よりも小さかったら、次の行にあるA=3、つまりAの箱の中に3をいれろという命令群と言えます。
先にAの箱の中には1が入っていました。つまりAは3よりも小さいわけなので、この条件に合致することからAの箱には新たに3がセットされることになります。
箱の中の値を表示させる
箱の中に記憶できることについては、これまでの説明によってご理解いただけたことでしょう。ただしこれはプログラムの中のことなので、私たちはそれを覗くことはできませんよね。でも、これをディスプレイ上に表示する命令もあります。
この命令を実行すると、ディスプレイ上にAの内容、つまり現状では3が表示されることになるわけです。
まとめ
今回はプログラミングの初歩の初歩についてお伝えをしました。
これだけでは「何がなんだか」といった状態からは脱することができないかもしれません。しかし今回は、プログラムのイメージが少しでも描けたなら、それで十分かと思います。
コンピュータと言うと、それだけで苦手意識が働いてしまいがちですが、時代は流れ、現在ではおおよそのご家庭にPCの存在があります。また、PCをお持ちでなかったとしても、最近のテレビは、ネット接続が可能となるとともに、様々なアプリを介して各種サービスを得られるようになっています。さらには、現在では多くの人がスマホを手にされていますが、これらもまた高性能なコンピュータであるわけです。
このように、コンピュータは確実に私たちの生活に根付いています。また、プログラミングが小学校の必須科目として登場することを見ても、国自体がその必要性を認識していることが垣間見れるわけです。
第二の人生において、もし、何もやることがないと考えられていらっしゃるのであれば、その時間を用いて、プログラミングの世界をあれこれと探索してみるのも、価値ある時間の過ごし方であろうかと思います。
プログラムは用途別にさまざまな言語が用意されています。これについては、別記事でご紹介することにしますが、これらをひとつひとつ体験していくだけでも、多くの時間を要することになります。つまり、やることはいくらでも作り出すことができるわけです。
なお、昨今ではプログラム言語の多くは、インターネットから開発環境をダウンロードして使うことができます。また、インターネット上には言語毎の解説が多く存在しますし、書店に足を運べば、入門書が数多くあります。
もしご自宅にPCをお持ちであるのなら、いつでもプログラミングの世界を堪能していただくことができるはずです。ご興味がおありであれば、トライしてみるのも価値ある選択かと考えています。
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