1. 高齢者うつとは?
高齢者になると体力や思考力記憶力の減衰からうつを発症することがあります。
そしてこれはご当人にとって大きな問題となることがあるのは当然ですが、ご家族にもその影響が及ぶものです。
このため、ご当人、家族双方がある程度の知識を有しておく必要があります。
高齢者うつと他のうつ病の違い
高齢者うつは、65歳以上の方がかかることが多いうつ病で、通常のうつ病よりも、認知症や、身体疾患を伴うことが多いのが特徴です。
また、高齢者うつでは、精神症状(気分が落ち込む、興味ややる気をなくすなど)に加えて、身体症状(食欲不振や不眠など)も現れやすいです。
高齢者うつでは、うつ病と同様に、気分の落ち込み、興味や喜びの喪失、睡眠障害、食欲不振、疲労感、集中力の低下、イライラ、死にたい気持ちなどが現れます。しかし高齢者うつでは、以下のような症状も現れやすくなります。
- 歩行困難やバランスの悪さ
- 食欲不振や体重減少
- 睡眠障害
- 認知症の症状(記憶障害や判断力の低下など)
- 身体疾患(心臓病や脳卒中など)
高齢者うつは、これらの身体症状や認知症の症状によって、通常のうつ病よりも重症化しやすく、治療が困難になることもあります。
高齢者うつが起きたときはどうなるか?
高齢者うつは、高齢者によくみられるうつ病の一種です。
うつ病は、気持ちの落ち込みや興味・関心の喪失、食欲不振や不眠などの症状を特徴とする精神疾患です。
一方高齢者うつは、他のうつ病と同様に、個人やその家族に大きな影響を与える可能性があります。
うつ病の症状は、高齢者の場合、他の病気や障害と混同されやすいという特徴があります。うつ病の症状は、高齢者の場合他の病気や障害と混同されやすいという特徴があります。
高齢者うつが起きたときの症状
高齢者うつは、他のうつ病と同様以下のような症状が現れます。
- 気持ちが落ち込む
- 興味・関心の喪失
- 食欲不振や不眠
- 集中力の低下
- 疲労感
- 不安感
- 罪悪感
- 自殺願望
また、高齢者うつでは以下のような症状が現れることがあります。
- 記憶障害
- 注意力の低下
- 判断力の低下
- 身体の痛み
- 疲れやすい
- 食欲不振や体重減少
- 不眠症
- 自殺願望
これらの症状は、高齢者うつだけではなく、他の病気や障害でも現れる可能性があるため注意が必要です。
うつ病の症状が疑われる場合は、早めに医療機関を受診することが大切です。
2. 高齢者うつが起きやすい人とは?
高齢者がうつを発症しやすい要因
加齢に伴う身体的・精神的な変化によって、うつを発症しやすくなるとされています。
- 身体的変化:高齢になると、身体の機能が低下し、病気になりやすくなります。また、薬の副作用やうつ病の症状そのものが、うつを発症するリスクを高めることがあります。
- 精神的な変化:高齢になると、定年退職や配偶者の死など、人生の大きな変化を経験することが多くなります。これらの変化は、ストレスや不安を引き起こし、うつを発症するリスクを高めることがあります。
認知症との関係
認知症の高齢者は、そうでない高齢者よりもうつを発症するリスクが高いという研究報告があります。
認知症になると、記憶力や判断力が低下し、社会生活が困難になることで、うつを発症するリスクが高まるのではないかと考えられています。
認知症の診断を受けている場合や、その疑いがある場合は、うつ病との合併症の可能性を考慮し、適切な治療を受けることが大切です。
3. 高齢者うつのリスクを高めるもの
高齢者うつのリスクを高めるものとは?
高齢者になるとうつの発症率は高くなります。高齢者うつのリスクを高める要因は多様であり、加齢とともに身体機能や認知機能が低下してくることが大きな要因となります。
加齢によって身体機能が低下すると、日常生活で支障が生じたり、外出が難しくなったりするため、社会との交流が減って孤独感や孤立感を抱くようになり、うつを発症しやすくなります。
また、認知機能が低下すると、判断力や記憶力が低下して物忘れが増えたり、思考力が鈍ったりするため、うつを発症しやすくなります。
その他、高齢者うつのリスクを高める要因としては、以下のようなものがあります。
- 経済的な不安
- 持病がある
- 社会的孤立
- 認知症
- 過去の喪失体験
- 薬の副作用
4. 高齢者うつを早期発見するために
周囲ができるサポートとは何か?
高齢者うつを予防するためには、周囲の人のサポートが大切です。
高齢者うつは、周囲の人から見ると単に年齢を重ねたことによるものと誤解されがちです。
しかし高齢者うつは、きちんと治療すれば回復することができる病気です。周囲の人ができるサポートとは、以下のようなものです。
- 高齢者の話をよく聞く
高齢者は、うつになると、自分の気持ちをなかなか人に話すことができません。そんなときには、そばにいて話を聞いてあげることが大切です。高齢者が自分の気持ちを話してくれるときには、否定したり、批判したりせず、ただただ話を聞いてあげてください。
- 高齢者の生活に変化がないか注意する
高齢者がうつになると、生活に変化が現れます。例えば、今まで楽しんでいたことをしなくなったり、食欲が落ちたり、睡眠障害が現れたりします。このような変化があったら、高齢者に声をかけてあげてください。
- 高齢者を孤立させない
高齢者は、社会的孤立に陥りやすいものです。社会的孤立は、高齢者うつを発症するリスクを高めます。高齢者を孤立させないように、積極的に声をかけて、一緒に外出したり、食事をしたりする機会を作ってあげてください。
- 高齢者に専門家の受診を勧める
高齢者がうつっぽさを感じている場合は、専門家の受診を勧めてあげてください。高齢者うつは、きちんと治療すれば回復することができる病気です。しかし、高齢者自身がうつ病であることを自覚していない場合もあります。そんなときには、周囲の人が専門家の受診を勧めてあげてください。
5. 高齢者うつになったら
高齢者うつに処方される薬や治療方法
高齢者うつで処方される薬や治療方法として、よく知られているのは薬物療法と心理療法です。
薬物療法は、うつ病の症状を緩和するために薬を処方する治療法です。うつ病が進行している場合は、薬物療法が第一治療選択になります。
心理療法は、うつ病の根本的な原因を探り、考え方や行動を改善することで症状を緩和する治療法です。薬物療法と心理療法を組み合わせた治療が、高齢者うつには効果的と考えられています。
- 薬物療法
- 心理療法
- 薬物療法と心理療法の併用
高齢者うつを回復させるためにできること
高齢者うつを回復させるためには、早期発見・早期治療が大切です。
うつ病と診断されたら、まずは薬物療法や心理療法などの治療を受けましょう。
また、生活習慣を見直したり、周囲のサポートを得たりすることで、症状の回復を早めることができます。
6. 高齢者うつを予防するために
高齢者のうつを予防する生活習慣や対策
うつは年代によって発症リスクや症状が異なりますが、高齢者はうつを発症しやすい傾向にあると言われています。
身体的にも精神的にも変化が大きく、それらが、うつを招く一因となる場合があるので、うつになりやすいと考えられています。
高齢者の人の場合、日頃からうつを予防するための生活習慣や対策を、実践しておくことが大切です。
高齢者のうつを予防するための生活習慣
規則正しい生活リズムを守り、適度な運動を心がける
- ウォーキングや水泳など、体に負担をかけない運動
- 自宅でできる簡単なストレッチ
バランスの良い食事を摂る
- 野菜や果物を多く摂る
- 良質なたんぱく質を摂る
- ビタミンB群を多く摂る
十分な睡眠をとるとともに、趣味やレジャーを楽しむ。社会とのつながりを大切にする
- 友人や家族との交流を深める
- 地域社会の活動に参加する
- ボランティア活動に参加する
認知症を予防し軽度認知障害の進行を遅らせるために
認知症や軽度認知障害は、うつ病の症状のひとつとして現れることもあります。
認知症を予防したり認知障害の進行を遅らせたりすることで、認知症や軽度認知障害を予防することができるのです。
とりわけ、認知症予防に効果があるといわれているのが、食事や運動、睡眠などの生活習慣の改善や、趣味やボランティアなどで積極的に社会参加をすることです。
1. 食生活を改善しよう
- 野菜や果物をたくさん食べる
- 魚、鶏肉、豆などをタンパク質源として取り入れる
- 加工食品や添加物を避ける
2. 適度な運動を心がける
- 週に数回、30分以上の有酸素運動を行う
- ウォーキング、水泳、自転車など、自分が楽しめる運動を選ぶ
- 運動を始める前に、かかりつけの医師に相談する
3. 質の良い睡眠をとる
- 毎日、同じ時間に寝て、同じ時間に起きる
- 寝る前のカフェインやアルコールは避ける
- 寝室を暗く、静かにする
4. 社会に参加する
- 趣味のグループやコミュニティに参加する
- ボランティア活動をする
- 友人や家族と定期的に交流する
7. まとめ
高齢者うつをよく知ろう
高齢者うつとは65歳以上の高齢者が発症するうつ病であり、他のうつ病よりも悪化しやすい側面があります。
そのため、高齢者うつに特徴的な症状をよく理解した上で、早期発見と予防に努めることが大切です。
高齢者うつは早期発見とサポートが大切
- 高齢者うつは早期発見・早期治療が大事:放置すると悪化する可能性が高いため、早期発見と適切な治療が必要です。
- 高齢者うつ特有の症状を知る:他のうつ病とは異なる症状が見られるため、高齢者うつ特有の症状を理解することが大切です。
- 家族や周囲のサポートが大切:高齢者うつの回復には、家族や周囲のサポートが不可欠です。
高齢者うつを予防するために
- 健康的な生活習慣を心がける:食生活や睡眠、運動など、健康的な生活習慣を心がけることで、高齢者うつの予防につながります。
- 社会的なつながりを持ちましょう:友人や家族との交流を大切にし、社会的なつながりを持ち続けることで、高齢者うつの予防につながります。
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