お金に困らないシニアの特徴を理解すれば老後破産は回避できる

シニアお金

老後破産という言葉をよく耳にします。本ブログでも、何度かこの話題について取り上げてきています。老後破産とは文字通り、老後において生活が困窮してしまい立ち行かなくなることをいいます。

しかし実は、老後破産に陥る人は決して多数ではありません。中にはお金に困ることなく、生涯を全うすることができる高齢者も少なくはないわけです。

そこで今回は、お金に困らないシニアの特徴を理解すれば老後破産は回避できるというお話を進めていくことにしましょう。

老後破産状態に陥る要因

お話を進めていく前に、老後破産状態に陥るのはなぜかという点について少々考えておくことにしましょう。

というのも、この原因をしっかりと把握することで、老後破産を回避するためのヒントを得ることができることが多いからです。これをお読みの方も、この点について少々お考えいただければと思います。

老後を不安と思われていらっしゃる場合や、実際に老後生活が立ち行かないという場合、その原因はなんであると思われるでしょうか。おおよそ発生しうる原因を、以下に挙げてみることにしましょう。

・年金受給額が少ない
・仕事ができないもしくはない
・仕事があるがまともな生活費を得られない
・60歳を超えてなおローン返済がある
・妻もしくは夫の医療負担
・超高齢者の親の介護費用負担

老後破綻の主な原因となる収支バランス崩壊

これまで挙げた老後破産状態に陥る要因を見てみると、そのすべてが収支バランスの崩壊を起因としていることがわかるはずです。つまり、支出に十分な収入が得られないのがその要因であるわけです。
「それは当然のことだと思うが」
確かにこれは、当然といえば当然のことといえます。誰にでも把握できることでもあるわけです。

原因を知りながら老後破産に陥る不思議

さて、では収支バランスの崩壊が原因であることを知りながらも、老後破産に陥るのはなぜでしょうか。

「年金受給額が考えていたよりも少なかった」
「これまで元気だった親が介護を必要とするようになった」
「働き続けるつもりだったが身体を壊して収入が得られなくなった」

老後破産に陥った人々の理由を調べてみると、収支バランスが想定外の部分で崩れたことがその要因であることがわかります。

人は未来においてどのような状況に遭遇するかを正確には把握することはできません。このため、ある程度の準備を整えておいても、その準備を超える支出が発生してしまった場合、バランス補正を取ることができなくなり、その結果としてバランス崩壊が生じてしまうことがあるわけです。

お金に困らないシニアの特徴

想定外の収支バランスの崩壊を原因として老後破産に陥る人が多い一方で、お金に困らない第二の人生を送ることに成功するシニアの存在もあるものです。さて、これらの人々はなぜお金に困らない生活を手にすることができているのでしょうか。

シニアにおいて困窮状態に陥っている人やその可能性が高い人からすれば、羨ましい存在であるわけですが、実は、これらの人々の特徴の中にも、老後破産状態を回避するためのヒントは隠されているものです。

お金に困らないシニア

結果ら申し上げて、お金に困らないシニアは、収支バランスの取れた生活を手にされていると言えます。

これは、おおよそ支出に見合う受給額を受け取ることができるといったものから、在職状態にあり、年金以外に給与収入がある、収入以外、しっかりとした貯蓄や資産があるなどの状況にある方が多いようです。

・年金受給額が支出に十分見合うものである
・年金のみならず在職状態にある
・退職金や貯蓄額に余裕がある
・夫婦二人となり他に大きな支出が掛からない
・住宅ローンも終わり家賃などが必要ない

年金額が低くてもお金に困らないシニア

「十分にお金があるんだから収支バランスが取れるのは当然」
と思われることでしょう。

確かに、十分に収入や貯蓄があれば、日々の生活に困窮することはないはずです。ただし「十分な年金額もしくは収入」は、個々にその額が全く異なるものです。そしてこの点に十分に注目する必要がありそうです。

たとえば、年金並びに労働による収入計が、毎月12万円程度のご夫婦がいたとします。

ちなみに、生活保護の定める最低限ながら健康で文化的な生活費は、一人でもおよそ14万円であり、しかも住宅や光熱費、医療費などの控除を受けることができることから、毎月12万円であれば、最低限の生活にさえ到底届かないことになります。

この額であれば、当然ながら収支バランスの崩壊から老後破産状態に陥るのは、ある意味当然のことといえそうです。

しかしながら、中にはこの額でお金に困ることなく生活を維持されているシニア世代のご夫婦もいらっしゃることには注目したいものです。

収支バランスに注目して生活を変える

「12万円で夫婦の収支バランスを取る?ありえない」
と、そう思われないでしょうか。

特に首都圏にお住まいの方であれば、月12万円で夫婦の生活を維持することは困難を極めるはずです。また、賃貸住宅に住まわれていたり、住宅ローンに残債があるといった場合、公共料金を含めればそれだけでこの程度のお金は毎月出ていくことになります。つまり、生活は成り立たないわけです。

よって、収支バランスを取る取らない以前に破綻状態を招いてしまうことになります。

方法その1:収入を上げる

もっとも簡単に至る方法としては、収入を支出額に見合うだけ上げてしまうということを挙げることができるはずです。

たとえば支出に毎月最低20万円が必要であるならば、足りない8万円を労働などを始めとして稼ぎ出すことができれば、とりあえずの生活は回ることになることでしょう。

ところが、年齢を重ねるごとに仕事の幅は狭まっていくことになります。また、仕事はあるものの、身体や思考力の衰えから、就くことができなかったり、採用されないといったリスクもあります。しかもこの傾向は年令とともに高まることになります。

つまり年齢を重ねるとともに、収入を得ることが難しくなり、よって収支バランスが取れない状況を招きやすいわけです。

収入を上げるための準備と実践

加齢とともに仕事が限定されていったり、働けなくなる状況もあることから、高齢者となった際、雇用の立ち位置は脆弱性を増すことになります。

サラリーマンとして働き老後を迎えた方の場合、毎月給与が振り込まれるということが習慣化されていることから、老後に困れば働けば良いと安易に考えがちです。しかし老後において正社員雇用は難しいと言えます。

この事を事前にしっかりと把握した上で、早期から雇用されることなく収入を得られる収入源を確保していく必要があります。

「雇用されることなく収入源を得る」というと、イメージしにくいかもしれませんが、自ら何らかのモノやサービスを提供することにより、少額であったとしても収入を得ることを早期から実践しておくことで、時間はかかるもののそれが老後の生活を支えてくれることは少なくありません。

よって、できるだけ早くから何らかの副業に着手し、収益を得ることのできる状況を作り上げておくことはとても重要なことといえそうです。

仮にその収益源によって、たとえば月5万円程度でも得ることができるようになっていれば、それだけでも老後破産の確率を低減させることはできるはずです。

方法その2:支出を下げる

収入を思うように支出に見合う額まで引き上げることができないのであれば、収支バランスをとるためには支出を下げる以外にありません。

ところがこの対策、実はとても難しいものです。というのも、家賃や公共料金、さらにはローン返済などの固定費は無条件にかかります。その他にも所得税などの税金も収める必要もあることでしょう。

また、バランスを取るために節約をしたとしても、毎月抑えることができる額は限定されることでしょう。このため一口に「支出を下げる」といっても、そう簡単に事を進めることはできないわけです。

支出を下げるための準備と実践

老後において収支バランスが取れなくなる人の数が増加傾向にあります。しかしその当事者について調べてみると、その多くの方が、自らの生活水準を維持しつつ困窮状態に陥っていることが少なくありません。

これまでの生活を維持しながらも、収入が下がるわけですから、収支バランスが取れなくなるのは当たり前のことなのですが、バランスの崩壊に頭をかかえるものの、自らの生活を根本的に変えることには意外にも消極的です。

生活を根本的に見直すためには、住む地域を変えることも考慮しなければなりません。また、生活費が足りないのであれば、足りる範囲内での生活へとシフトしていく必要があります。

先の月額12万円の年金のみで生活するご夫婦の場合、お金をおおよそ使わない生活を習慣化されています。

まずは固定費を徹底して見直しています。住居コストが高ければ安いエリアに移転することも検討します。また、不要と思われる固定費が発生するサービスはすべて解約をします。

食費についても、バランスを考慮しながらも最小限度の食材で済ますように献立を考えます。老後の場合、むしろ質素な食生活は健康面でも有効となることが少なくないわけです。

生活費については、基本的にお金を使わないで済ますことができないかをご夫婦で考えています。見栄などから支出を重ねることはせずに、節約よりもむしろ使わないことを基準として日々の生活をされているわけです。

お金を使わない生活は、支出に問題がある方からすればずいぶんと貧相なもののように思われるようです。しかし、地方においてお金を使わないことを基準としたとしても、意外に楽しむべき施設はあるものです。

また、周囲の自然の中で、夫婦で時間を過ごすしたり楽しんだりすることは、探せば多く存在するといいます。

生活を根本的に見直すことで、少ない年金額であっても「収入=支出+貯蓄」を維持することは不可能なことではないわけです。

方法その3:各種高齢者向けサービスや制度の知識を持つ

年々税額や生活保障費比率が高まることから、サラリーマンを始めとする労働者の実質賃金は右肩下がり状態が続いています。しかしその一方で、シニア世代が利用できる各種サービスや制度は探せば多く存在するものです。ところが、多くの方がこれらを知らず、その不安を抱えたまま生活を続けます。

たとえば、高齢者となって大病を患った場合、お金もないので死ぬしかないという不安にかられていらっしゃる方はいるものです。しかし、高額療養費制度を用いることで、上限は自ずと限定されことになります。

また、住むところがなくなるかもしれないというのも、多くの方の不安要素となっています。しかし日本の場合、福祉医療についても多くのサービスが有るものです。

さらには年金が足りずに老人ホームに入れないと考えている方もいますが、年金の足りない部分を生活保護制度によって補填して、ホームへ入所する方法もあります。

よって高齢者向けサービスや制度について、あらかじめ多くの知識を持っておくことで、少なくとも絶望的な不安は、解消されていくはずです。なお、これらのサービスや制度については別の記事でまとめています。

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