定年退職後には海外で生活をしたいと考える人が増加傾向にあるようです。また、なかにはこれまでの経験を活かして海外で仕事をしたいという方も現在では少ない数ではありません。
そこで今回は、シニア世代でも海外で高収入を得ることができるスキルや職種についてご紹介することにしましょう。
シニア世代にも高い求人需要があるスキルとは
シニア世代の方の中には、これまで一つの道を歩まれ、特化した熟練のスキルをお持ちの方もいらっしゃることでしょう。一方途上国の中には、急速な経済発展から日本で積み上げたスキルを持つシニア層に高い需要が発生しています。よって、この需要と供給がマッチすれば、シニア層であっても高待遇で受け入れる企業があります。
これはむしろ日本以上に開かれた市場といえます。ここでは、途上国などで需要が高いスキルについて次に例を挙げることにします。
生産管理・品質管理業務経験者
工場などにおいて、生産管理や品質管理業務に長年就かれていた方は、少ない数ではないことでしょう。
途上国ではこのようなスキルを持たれている方の需要が高まりつつあります。というのも、経済発展から、生産性の向上や品質改善を余儀なくされている製造メーカーはとても多いからです。
特に日本の場合、ものづくりの国としてのブランドがあります。日本製品の高度な品質や高い生産能力は他国にも定評があることから、現場で実務に取り組んだスキルをお持ちの方の需要は高いわけです。
各種技能の技術指導
日本のメーカーに勤務されていた方であれば、それぞれ特化した技能をお持ちかも知れません。途上国では、自動車部品や電気機器、家電、製造機械などの需要の高まりから、これら各種製造業の製造技能を有する技術者の需要が高まっています。
ゼネコンや鉄鋼メーカーなどの需要の高まりから、これらの技能を有するシニア層の需要もあります。また、施工管理や建築士、電気工事士などの資格保持者の求人も多く存在します。
これらの技能保持者の方の場合、現地法人の工場長や日系メーカーの責任者、建設会社の責任者として採用されることもあり、技能を活用して生きがいを見出すことさえ可能となるわけです。
システムエンジニア・プログラマ
日本においてシステムエンジニアやプログラマとして活躍されたシニア以降の方であれば、その技術は、発展途上国でも有効に活用することが可能となります。
特に上流工程の経験者やプロジェクトマネージャーとしての経験をお持ちの場合、現地の日系IT企業で採用されることもあります。
農業従事者
途上国においては、農業従事者にも高い需要があります。途上国では日系の農業法人が多数存在しますが、これらでは実際に農業に従事し、品質の高い野菜や果物を生産することができる人材に高い需要があるものです。
日本では種子法が撤廃されたことから、日本独自の野菜や果実も今後は海外で盛んに生産されることになるはずです。日本における一次産業には大きな問題となるものの、海外における農業生産市場にとっては大きな追い風となります。
このため、日本の農業従事者には、先にご紹介した品質や生産管理者、各種技能者や技術者と同様に高い需要が発生することが予想されているわけです。
シニアの人材を求める国
日本のシニア層に人材を求める国をご紹介することにしましょう。いずれも経済発展の局面を迎えており、今後は様々な市場が拡大することが予想されています。
シニアの人材を求める代表国
・香港
・シンガポール
・タイ
・ベトナム
海外採用の形態
ひとくちに海外採用といっても、実は大きく分けて2つの採用形態があります。実際に海外で仕事を得ることをお考えの場合は、このいずれかを選択する必要がありますが、それぞれに特徴があります。
海外駐在採用
海外駐在採用の場合、日本法人や外資系企業によって雇用された上で、現地で勤務することになります。あらかじめ現地の国が提示される場合がある一方で、赴任国を新たに指示される場合もあります。
一方、給与は日本や外資の国の基準に準じているため、高待遇を得られる可能性が高いと言えます。また、住居や子供の学費などの手当があったり、社用車が貸し出される場合もあります。赴任手当や引っ越し費用などの対応もなされるなど、比較的手厚い対応がなされることが少なくありません。
ただし海外駐在での採用は、マネージャークラスなど特化したスキルや有資格者に限られます。
海外採用
海外採用の場合、現地法人が直接採用します。このため、給与は現地水準となる場合が少なくありません。ただし、特化した技術を有する日本人の場合、比較的高い待遇での採用となることが少なくなく、現地においてゆとりある生活が可能となります。
比較的幅広い職種においての採用がなされており、なかにはスキルを持たない人であっても採用がなされることもあります。
海外で働く第二の人生
昨今では、第二の人生を海外で生きたいと考える人が増加傾向にあります。これまでのスキルを活かして海外で仕事を得ようと考える方も増えてきているようです。
また、年金の額によっては、日本では窮屈な生活を余儀なくされる方もいらっしゃることでしょう。そのような方であっても、海外において仕事を得ることができるのなら、豊かな生活と生きがいの双方を手にすることができるわけです。
ただし、だからと安易に海外に飛び出すのはリスクがあります。
海外は当然のこと日本以外の文化圏であり、人々の考え方や行動は日本のそれと大きく異なることが少なくありません。また、治安面でも日本では不要な心配をする必要があることでしょう。
もし、シニアにおいて海外で働いてみようかとお考えであれば、その地に赴いて、ロングステイをされてみることをお勧めしたく思います。ロングステイができれば、現地の状況を実体験として得ることができます。また、求める情報の多くを得ることも可能となります。
そんな経験を経た上で、第二の人生の地としたとしても、それは遅すぎることではないはずだからです。
コメント