別記事において、シニア世代の方がブログを発信することのメリットについて触れています。ブログは生き甲斐や生きる価値を新たに作るのに十分に有効な手段といえます。つまり趣味の範囲に老いてブログを発信し続けるのみでも、十分にメリットを享受できることになります。
しかしこれ以外にも、収入源のひとつとして育てることが可能なメリットもあります。つまりブログの発信は、やり方によっては、それを仕事とすることもできるわけです。
今回は、シニアからブログを収入源の一つとして育てるための基礎知識について解説を進めることにしましょう。
ブログが収入源として育つ可能性
特化ブログは限定したユーザーを集める
ブログを継続することで、特定の知識ニーズを持ったアクセスユーザーを集めることができるものです。
たとえば、海釣りに関するブログを配信することで、全国の海釣り好きの人々をアクセスユーザとしてあつめることが可能となります。また、投資に関するブログを育てることで、投資に興味を持つユーザを獲得することができるわけです。
そしてこれらのユーザは、それぞれに消費ニーズを持っている可能性が高いと言えます。
海釣り好きの方であれば、釣り竿やリールに興味を持っているかもしれません。また、投資に興味がある場合、高利回りを期待できる投資商品に興味がある可能性もあります。
これについては、どのようなターゲット層に対してどのようなコンテンツをブログによって提供するかによっても異なりますが、特化したコンテンツの提供には、それに対応する消費ニーズを持つユーザの収集能力があるといえるわけです。
よって、このようなアクセスユーザーを多く抱えるブログを持つことに成功した以降、消費ニーズに合致した商品を紹介することで、そこから売上を挙げることができることになります。
「そうはいっても、自分で売るべき商品などないし」
と、思われるでしょうか。
アフィリエイトとそれによるマネタイズ
「アフィリエイト」という言葉を耳にされたことがあるでしょうか。アフィリエイトとは、成果報酬型広告を意味します。
多くのアクセスユーザを集めることに成功したあなたが、仮にブログに広告を掲載したとします。それがもし、アクセスユーザの消費ニーズに合致したものであれば、その広告をクリックして対応商品を購入する機会も増えていくことでしょう。
あなたのブログから販売サイトへと移行したユーザが、販売サイトで何らかのサービスを受けたり物品を購入した場合、売り主は、あなたに対して広告料としてあらかじめ決められた金額を支払うことになります。この一連の仕組みをアフィリエイトというわけです。
ASPの存在
一般のブログ管理者が、アフィリエイトで広告収入を得るためには、ASPの存在が不可欠です。
ASP(Affiliate Service Provider)とは、広告を出したいと考えている企業と、広告を自らのブログやサイトに貼り付けることにより収益を得たいと考えるブログやサイト管理者の中間に位置し、互いの橋渡しの役割を担う企業と言えます。
ASPは、企業からの広告依頼を受けます。その一方で、ブログやサイト管理者を幅広く集めます。つまり、企業から受けた広告を掲載するサイトやブログを広く公募するわけです。
アフィリエイトは、先にも申し上げた通り成果報酬型広告でなので、アクセスユーザがその広告を介して企業サイトへと移動し、そこで何らかの売上を立てることで広告料が発生することになります。
企業はあらかじめ広告コストを考慮した利益率や価格設定をしておくことで、効果的に販売数を上げることができるわけです。
なお、これまでアフィリエイトの言葉をあまり耳にされてこなかった方の中には「ASPという企業体は信用が置けるのか」と危惧されることもあるかもしれません。しかしASP市場は拡大を続けており、運営企業の多くは株式上場をはたしてきています。
日本における代表的なASP企業
次に日本における代表的なASPを挙げています。これらの企業にアカウントを持つことで、ブログやサイト管理者は、幅広い成長産業や企業の広告を取り扱うことが可能となります。
ちなみに、アフィリエイトで収益を上げる人の多くは、以下のASPにアカウントを持ちます。
代表的なASP企業
企業 | 概要 |
A8.net | ASP最大手。東証一部上場。 |
アフィリエイトB | アフィリエイターの満足度で定評がある。運営会社のフルスピードは東証マザーズ上場。 |
バリューコマース | 大手企業の独占案件を多数保持。東証一部上場。 |
アクセストレード | ゲーム系や金融系広告に強い。運営会社であるインタースペースは2006年東証マザーズ上場。 |
JANet | 運営企業のアドウェイズは東証マザーズ上場。 |
楽天 | 日本のネット通販大手。楽天アフィリエイトを展開。東証1部上場。 |
Amazon | 米国ワシントン州シアトル市を本拠地とするネット通販大手。Amazonアソシエイトを展開。 |
Google Adsense
Adsenseの場合、広告タグを貼り付けると、そのタグで掲載される広告の種類はブログ管理者が意識する必要はなく、Google側がアクセスユーザに最適でかつ効果的な広告を自動で表示します。
クリック単価はおおよそ30円程度ですが、多くのアクセスを呼び込むことができるブログでは、高い報酬を安定して得ることができるメリットがあります。
Google Adsenseの場合、運営サイトをもって審査を受ける必要があります。審査に通過するとそれ以降、サイト管理者の持つサイトには自由に広告を掲載することができます。ただし、広告掲載における規約が厳しく、それに違反した場合アカウントが剥奪される場合もあります。
収益化を狙うためのブログ構築方法
無料ブログよりも完全にオリジナルの単独ブログを目指す
趣味で始めるブログの場合、無料ブログサービスを用いることも選択肢とは十分にあるわけですが、収益化を狙うためのブログの場合、ブログ構築に慣れた段階で、完全にオリジナルなブログサイトを構築するのが一般的です。
無料ブログの場合、コストゼロで開設できるメリットがある一方で、突然サービスが停止されたりブログが削除される、企業によって広告が表示されるなどのデメリットもあるからです。
なお、単独ブログを作成する上では、以下に示す3つが必須となります。
単独ブログ構築に必須な3つのもの
・Webサーバー
・Wordpress
独自ドメインとは
ドメインとは、インターネットにおける住所に相当するものといえます。
インターネットを介してさまざまなサイトにアクセスする場合、物理的な住所としてIPアドレスが用いられています。しかしIPアドレスは、数字の羅列であることから、人が覚える情報としては不向きです。このため、数字ではなく意味を持った文字列を住所として持つことが可能となっています。これをドメイン名といいます。
たとえばYahoo!の場合、Yahoo.co.jpといったドメイン名が設定されています。
本格的なブログ運営の場合、○○○.comといった独自のドメインを取得してこれを用いるわけです。
Webサーバーとは
インターネット上の名前を独自ドメインを取得することで一意なものとしたとしても、発信するための物理的領域がなければ情報を発信することができません。
これは、土地を持たなければ家が建たないのと同様です。
物理的領域、ならびに常時インターネットに対してコンテンツを発信する機能を担うのがWebサーバーです。Webサーバーはレンタルサーバーとして、サーバー業者から借り受けることができます。
価格は業者や品質によって様々ですが、月1000円程度のコストで借りることが可能です。また、マルチドメインが可能なWebサーバーであれば、独自ドメインを複数取得し、複数ブログを同時に運営することも可能となります。
WordPressとは
WordPressとは、ブログを発信するためのソフトウェアと言えます。WordPressはCMS(Contents Management System)の一つです。ちなみにCMSは、Webサイトを手軽に管理更新することを実現するシステムであり、多くのソフトウェが開発リリースされています。
WordPressは、数多く存在するCMSの中で、現在最も多くのユーザーを持つソフトウェアであり、Webサーバーにインストールすることで、比較的容易にブログを開設したり、コンテンツを提供することが可能となるものです。
レンタルサーバー業者などでWebサーバーを借り受けると、簡単な操作でWordPressをインストールして用いることが可能となります。とはいえ、WordPressは、初心者には少々敷居が高いソフトウェアといえるかもしれません。
ただし、WordPressに関する情報は、インターネット上に数多く存在することから、検索をしながら徐々に理解を深めることは可能です。また、ある程度の知識を持ってしまえば、以降は手軽に独自のブログを運営することもできることから、収益化ブログの構築を計画されている方には、ぜひ乗り越えていただきたい山とも言えそうです。
まとめ
Webサーバーを借り受けると共に、独自ドメインを持ち、WordPressによって独自のブログ発信環境を構築することができれば、あとはコンテンツを投入し続けることで、ブログは育ち始め、コンテンツに対応したアクセスユーザーを徐々に集めることができます。
アクセスユーザーを多く獲得することができるようになれば、ASPにアカウントを取得することで、自分のブログに広告を掲載することも可能となることから、収益を見込めるようにもなるわけです。
収益化までの流れとしては、比較的シンプルに説明することが可能です。
しかし実際には、この工程の中で超えるべき様々な山が存在するものです。これについては、ブログを育てる中で日々学び続けることが必須となります。つまり、収益化を実現するまでには、多くの知識を吸収し続けなければならず、簡単に収益源として機能してくれないのもまた事実です。
しかしながら、試行錯誤の上でターゲットとするアクセスユーザーを集めることができるようになり、しかも必要とする情報を的確に提供することができるようになれば、ブログはそのまま資産となりえます。
労働の時間に伴って得られる給与とは異なり、ブログにユーザーが訪れてくれる状況さえ維持することができれば、継続的に収益を生み出すことも可能となるからです。
シニアの場合、時間の確保は比較的容易であるはずです。この時間を用いることでじっくりと取り組むことができれば、そしてブログが徐々に育ったのなら、生き甲斐や働きがいを得るのと同時に、生活の安定さえも得ることができるわけです。
また、自分を中心としたコミュニティを構築することもできるわけですから、そのメリットは多大なものであるわけです。
なお、本記事の内容は少々敷居が高いとお感じであれば、以下の記事を参考としていただければと思います。
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