人生を100年として考えることで見える第二の人生の生き方とは

シニア生活

あなたは今、おいくつでしょうか。

たとえば今年還暦を迎える男性の方であったとします。現在の日本男性の平均寿命は女性が87歳、男性が81歳ですから、「あと20年しかないのか」と、ため息をつかれることになるかもしれません。また、人によっては「あと20年なのだから、これからは自由に生きるぞ」と思われるかもしれません。

さてでは仮に、人生を100年として捉えたならどうなるでしょうか。考え方一つですが、第二の人生の捉え方が随分と変わって見えることに気づかれるはずです。

ということで今回は、人生を100年として考えることで見えてくる第二の人生の生き方とはというお話を勧めていくことにしましょう。

人生を100年と捉えることの意味

還暦は第二の人生のスタート地点

日本には60歳を還暦として祝う風習があります。

60歳は、十干と十二支を組み合わせた干支が一巡することから、本卦還りとも呼ばれます。また、一巡して生まれ直すことから赤ん坊に戻るという意味合いも60歳にはあるんだそうです。

ちなみに還暦においては、赤いちゃんちゃんこを着て祝いますが、なぜ赤なのかをご存知でしょうか。赤は魔除けの効果があり、また、生まれ直すということから赤ちゃんに戻ることから、赤いちゃんちゃんこを贈る慣習が根付いたようです。

このように考えると、赤ちゃんに戻ってスタートを切ることになる還暦は、第二の人生のスタート地点としてふさわしい年齢であることに納得がいくものです。

人生を100年と捉えることのメリット

自分の人生を80年と捉えるか、100年と捉えるかによって、第二の人生の長さは2倍もの開きが生じてくることになります。第二の人生を還暦からスタートすると考えた場合、人生80年であれば20年ですが、100年であれば40年ということになるわけです。

捉え方を変えたからと行って、突然寿命が伸びるわけではありませんが、これにはいくつかのメリットを享受することができるものです。

たとえば、現在還暦の方が、人生を80年として捉えていた場合、70歳までは何とか自力で働き、70歳からの10年間は黄昏の時としようと思うかもしれません。

一方、人生を100年として捉えた場合、残りの10年を黄昏のときとして考えたとしても、90歳までは自立した人生を歩もうと考えるかも知れません。

あくまでも第二の人生の設計であるわけですから、実際にどうなるかはわかりません。しかし設計を変えることで、日々の行動に変化が生じる可能性は高くなります。

そもそも黄昏の時に達したと認識する年齢が後ろにずれるわけですから、それまでの間は、自立した人生を維持するだけの気力を継続しなければならなくなるはずです。すると健康寿命にも変化が生じる可能性が高まることになります。

ちなみに健康寿命とは、自立した生活ができる生存期間のことであり、日本では男性が71歳、女性が74歳となっています。この健康寿命が第二の人生設計によって伸びる可能性が高まるわけです。

健康寿命が伸びることになれば、自ずと平均寿命も伸びることになるはずです。つまり、元気で過ごすことのできる第二の人生を、より長いものとすることができるわけです。

生き甲斐を持って元気に生きる第二の人生

人生100年と仕事

人生100年については、政府も推奨しはじめています。ただしこれには、国側の思惑も介在しているように思います。人生を100年と捉えれば、それだけで高齢者の労働意欲を高めることができます。また、高齢者が経済的に自立すれば、年金支給年齢をその分後ろにずらすことが可能となります。

実際、厚生労働省では、年金の受給年齢の繰り下げを75歳とする検討に入っています。毎月の年金額は65歳の2倍程度支給する方向での検討がなされているわけです。

「75歳まで働けということか」
「結果的に年金を支給したくないわけか」

との国民感情が高まる可能性は高いと言えます。確かにこれは少々酷な話ではあります。しかし、高齢者になってなお仕事との接点を持つことには、それなりのメリットも存在するものです。

幸福度が高まる働く高齢者

周囲の高齢者の方々をみていると、その数だけ様々な第二の人生を送られていることがわかります。

たとえば、ゆとりある資産と年金を手に悠々自適な人生を送ることができている方がいます。その一方で、生きるために働き続けなければならない人もいます。また、年金で最低限の生活はできるものの、孫にプレゼントをしたい、生活にゆとりがほしいといった目的で適度な仕事を持つ方もいるわけです。

数多くの高齢者の方々を観ていて感じるのは、仕事を持たれている人の方がお元気であるという点です。

これは、少し考えればむしろ当然のことであり、動けなくなってしまえば仕事ができません。このため、仕事を続けることのできる状態を維持しようとする意思は、どこかで持ち続ける必要があるはずです。

また、仕事を通じて社会とのつながりを持つことで、自己の存在意義や生き甲斐を感じることができる側面もメリットとして大きなものと言えます。つまり、幸福度もまた向上することになるわけです。

何らかの仕事を持つことは、「余生を生かされている」のではなく「余生を生きている」といった実感に繋がります。そしてこれだけでも、自立して生きる意識や願望を維持し続けなければならないことになります。

人生100年と仮定した90歳までの自立

さて、人生を100年とした場合、残りの10年を黄昏の時としたならば、90歳までは何らかの形で自立環境を維持しなければなりません。

60歳から始まる第二の人生において、およそ30年間を自立して生きるわけです。この30年を、長いととるか短いと取るかは人それぞれであるはずです。しかし、30年あれば、いろいろなことに挑戦できるようには思われませんでしょうか。

30年あれば、生まれたばかりの赤ちゃんが様々なことを学び、進学、成人し、社会に出て家庭を持つまでに成長する期間です。この半生ともいえる期間を、私たちは、これまでの60年という人生の中で培った知識や経験を持ってスタートを切ることができるわけです。

まとめ

人生を100年とするならば、還暦を迎えた段階で、あと40年の時間を使うことができます。そしてこれは、余生と言うにはあまりに長い時間でもあります。

よって人生を100年と捉えることで、やりたいこと、すべきことは格段な広がりを見せることになります。残りの10年を黄昏の時と仮定したとしても60歳からは30年もあるわけです。

また、黄昏への移行が90歳であるならば、それまでは自立した環境を維持しなければならなくなります。この意識を持たれた方と、黄昏への移行を70歳と捉えている人が同じように老けていくとは考えにくいと言えます。

飛ぶべきバーの設定は、高ければ高いだけ、記録は伸びるものなのです。

さて、あなたは還暦からスタートする余生において、何を成し遂げることとなるのでしょうか。

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